39話 真実の代償
いつも読んでいただきありがとうございます。
谷本は翌日
喜田公司を探した。
近藤先生が言ったとおり、
戸陽高校の工学科に在籍していた。
授業終わりに、
声を掛けようと工学科の教室に行ってみた。
柄の悪そうな仲間たちの中心に、
卒業アルバムで顔は確認していた…
喜田公司だ。
喜田は僕のことを知っていた、
「谷本、どうした?珍しいな…」
「喜田くんに聞きたい事が合って…」
「松葉杖でケンカ売りに来たとは思えないが、
何を聞きたいんだ?」
「ちょっと、いいかな?」
そう言って、喜田を連れ出した。
「谷本は事故で、オレの事覚えてないんだろ?」
「あぁ、覚えて無いよ」
そう言って、歩く足を止めた。
「単刀直入に聞くよ、
喜田くんは、中学時代に伊東美織に何をしたんだ…?」
喜田の顔色が変わった…
「何って…なんで、谷本がそんな話ししてくるんだよ」
「関係ないだろ!」
谷本は少し事情を説明しようと
昨日、近藤先生から聞いた話しを説明した。
中学の卒業式で、美織が怪我した事
その怪我は、喜田くんがやったんじゃないかと
谷本が考えている事を、伝えた。
喜田は失笑した。
「オレが女に手出すわけねーだろ!」
「だいたい、卒業式の日に俺は美織に合ってない!」
「それに…」と、
言い掛けて、喜田は言葉を飲み込んだ。
少し間があったか…
喜田が落ち着いた口調で、
「谷本は美織が好きなのか?」と、聞いてきた。
谷本は喜田の目が一瞬優しくなったのを見た。
「好きだよ」素直に答えた。
喜田が、少し真面目な顔になって、
「オレも好きだった。」
「でも、卒業式よりも随分前に振られたよ」
谷本は少し、話しが繋がった気がした。
喜田は続けて、
「でも、美織が卒業式の日に怪我したって事はホントなんだろ?」
「それは、先生から聞いた話しだから、」
「オレじゃないからな。」
と、喜田は考え始めた。
しばらく考えた後、スマホを取り出して
電話を掛けた。
「…お前さぁ、卒業式の日に何かしたか?」
「**…」喜田が電話で、
言い争っているのがわかった…
しばらくして、
「やっぱりお前か…」
「どうゆーことか、説明しろよ。」
電話で話す喜田、
まったく事情がわからない谷本。
しばらくして、喜田は電話を切った。
ゆっくり谷本を見て、
「悪い…やっぱり俺がやったみたいだわ」
谷本はまったく事情がわからない
「ちゃんと説明してよ」
喜田は正直に話してくれた…
ショックだった…
谷本は、美織が話したくなかった事情を、
他人の口から聞いた…
これは、美織に対する裏切りだと、
息が詰まって苦しかった…
そこからは、喜田の言葉が入って来なかった…
1人松葉杖で、学校を出て河川敷に座った。
…僕は何をやってるんだ、
人の秘密を、意味ない好奇心で掘り起こして…
最低じゃないか…
一通のLINEが送られて来た。
美織からだった
美織----------------to谷本
地区予選大会お疲れ様でした!
愛もとても楽しかったって!
ありがとう
足の怪我の具合はどう?
無理しないようにね。
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LINEを見て、
谷本は止めどない後悔が押し寄せていた。
美織は今を生きているのに、
過去を忘れた僕が、
過去に向かっていた…
河川敷の暗闇からは、
明るい車のライトや
暗くなって輝き出した星が谷本には眩しく
涙が止まらなかった。
結局、美織に返信出来ないまま
帰宅して、スマホを眺めていた。
夜寝るまで、
美織への返信文を眺めていた…
谷本----------------to美織
応援来てくれてありがとうね。
足はもう痛みはなく、大丈夫だよ。
しばらくは病院に通うから…
しばらく会えなさそう…
----------------
結局、
しばらくは病院に通うから…
しばらく会えなさそう…
の2行は、削除して送信した。
最悪の気分だった…
ここまで読んでいただきありがとうございました。
引き続き次回もお楽しみ、いただけると幸いです。




