37話 観客席から見たコート
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準決勝
戸陽高校vs西山工業高校
第一セットが始まった。
ゴーゴーレッツゴーレッツゴー戸陽!!
応援が盛り上がっている。
谷本は観客席から、応援していた。
愛は昨日同様に、
齋藤の隣りでベンチに入っていた。
チームも愛ちゃんがいる方が皆んな、
いい所を見せようと一生懸命になるから、
先生も入ってくれた方が都合がいいらしい。
「皆んな頑張ってるけど、相手強いね…」
美織が谷本の横から声を掛けた。
「そうだね…相手のブロックが毎回3枚ついてくるから、どうしても早い攻撃を連続するしかない…だから、かなり疲労が出やすい。」
「谷本くんいたら、勝てそう?」
「どうかな、バレーボールは連携しないと繋がらないスポーツだから、結局はチームのまとまりなんだ、1人の力では大して変わらないよ。」
「へ〜」美織が関心して見てると、
横から
「なんで、先輩出てないんですかー?」
と、しのぶちゃんの声。
「しのぶちゃん…」
「先輩出てないと勝て無いじゃないですかー」
「イヤ…昨日、足やっちゃって…」
「え〜、この大事なタイミングで怪我…したんですか?」
「イヤ〜、恥ずかしいよ…」
「そっか〜、せっかく応援しに来たのに…」
横で美織がくすくす笑ってる
「ほら、やっぱり谷本くんの影響大きそ〜」
「あの…、こんにちは先日は駅でお会いした、
江藤しのぶ です。」
「こんにちは、覚えてるよ〝しのぶちゃん″」
そう言って、笑った。
「私、伊東美織です、美織って呼んで下さい。」
「美織さん 宜しくお願いします。」
「美織さんは、どちらの高校ですか?」
「私は朝比奈高校の2年生で、谷本くんとは小学校、中学校で同級生だったの」
「へー、バリバリの進学校ですね…凄い!
美織さんもバレーボール部なんですか?」
「いや、私は吹奏楽部なんだけど…」
「あっ…そうなんですね、美織さんも絵描く人ですか?」
「無理無理、私は絵苦手だから…」
しのぶは、美織と谷本がどんな接点があるのか確認したかったが、全く見つからなかった。
谷本先輩は、中学以前の友達関係の記憶は無いって言ってた…
戸陽高校と朝比奈高校偏差値20以上違うから、塾とかで繋がったわけでもなさそう…
バレーボールでも、絵でも無いとすると…
どんな接点から、繋がってるの…?
江藤しのぶが、谷本と美織の関係に思いを巡らせていた時。
第一セットが終了した。
戸陽高校 15 - 25 西山工業高校
1セット目を落としてしまった。
----- 試合ベンチ -----
全員がかなり疲労気味だ、
キャプテンの谷口が
「このままだと、谷本がいないから負けたって言われるぞ、粘り強く行こう」
「あんな怪我して、観客席で両隣りに女の子をはべらせている女ったらしの谷本ばっかモテるのは気に入らん!」
「絶対勝つ!!」
「オー!」気合いの入ったメンバーの声。
第二セットを
戸陽高校 26 - 24 西山工業高校
粘り強く勝つ事ができた…
---- 応援席 ----
「谷本くんいなくても、勝てたね。」
谷本は嬉しそうに、
「凄い!…」
「でも、だいぶ疲れが隠せなくなってきましたね」
しのぶがコートを見ながら呟いた。
「皆んな頑張ってるけど、かなり運動量に差があるから第三セットが厳しそうだね…」
第三セット開始から、
戸陽高校のチームは、連携ミスが増えていた。
それでも、最後までボールを拾い続ける。
審判の笛が鳴って「汗!」
サポート選手達が一斉にコートに落ちた汗を、
拭いた。
「少し休めたな…追いつこう!」と、
永野が声を掛ける。
それから、戸陽高校ペースに流れたが、
チーム体力の限界だった…
結果的に
セットポイント 1-2で戸陽高校は敗北した。
選手全員が、立ち上がれないほど疲労し
倒れ込んだ…
観客席の谷本は、
溢れそうになる涙を、堪えていた。
その後の、3位決定戦もストレートで負け
戸陽高校バレー部は、地区予選4位で、
全日程を終了した。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
引き続き次回もお楽しみ、いただけると幸いです。




