32話 軽い気持ち
いつも読んでいただきありがとうございます。
翌朝、
いつもの時間に東堂からLINEが入ってきた。
〝いつもの病院の愚痴”と
〝早く美織に気持ちを伝えた方がいい!
きっと美織も待ってるはず。”
そんな内容が、毎回LINEで送られて来る
東堂美津子には、
昨夜の出来事を報告する事にした。
美織に好きと伝えた事と
美織も自分の事を、
好きだと言ってくれた事
ただ、中学の卒業式の事件については、
伏せておいた。
美織だって話したく無い事を、
他人から聞いたら、
ショックを受けてしまうとわかっていたから。
今日は、いつになく早く返信する事ができた。
東堂は驚くだろうな…と、
東堂が喜ぶ姿を想像していた。
東堂からの返信は、
明日にならないと返って来ないとわかっていた。
いつもと変わらない日常が、
昨夜、美織と話してからは世界が変わった。
心のゆとりすら感じるくらい
谷本は浮かれていた。
部活でも、身体が軽く
いつもより高く飛べる気がした。
実際、ジャンプ力が増し、
誰が見ても群を抜いて高い打点
大会前に谷本は絶好調だった。
その夜、美織からLINEが来た。
美織------------------------to谷本
谷本くん
昨夜はありがとう
いろいろ話す事ができてスッキリしました。
あと、愛が谷本くんの試合の応援に行きたいって言うの、大丈夫かな?
応援に行って良い試合があれば、
日程教えてください。
谷本------------------------to美織
伊東さん
来週土曜日と日曜日の2日間
ウチの学校体育館で、
地区予選大会が開催されます。
応援は自由
他校の選手や父兄も来るので、
応援に来ても大丈夫だよ。
美織------------------------to谷本
ありがとう、
愛に伝えてみる、
私が土曜日は部活があって行けないので、
日曜日に行くね。
谷本------------------------to美織
了解
大丈夫だよ、
初日で負けないように頑張ります。
美織------------------------to谷本
がんばれ
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なんでもない、会話が嬉しかった、
また翌日、
美織からLINEが来た。
美織------------------------to谷本
ごめん!愛が土曜日も行きたいって、
聞かなくて…
一応、納得させたけど…
谷本------------------------to美織
了解、ちょっとなんとかなるか考えて
連絡します。
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そう返信して、
考えた…
そうだ、荒木に頼んでみようかな…?
そう考えて、
教室に行くと、
荒木も席に座って、友達と楽しそうに
話していた。
「今週はウチの店の手伝いがあるんだよねー」
そう言っているのが聞こえた。
荒木の家は、花屋さんをやってて、
時々、お店を手伝っていると聞いた事があった。
今週って、土日の事だよな…
荒木に頼むのは難しそうだな…
と、自分の席に座って考えた。
愛ちゃんに説明しに行こうかな…と思った時、
目線を黒板の方に向けると、
マネージャーの齋藤あかりが、
席に着くのが見えた。
齋藤さんに相談してみようかな…
同じ部活ではあるが、
あまり話した事はなかった。
授業が終わり、
教室を出る、齋藤あかりを谷本は追いかけた。
「齋藤さん!」
あかりも、普段話し掛けてくる事のない
谷本が声を掛けたので驚いていた。
「何?どうしたの?」
あかりはゆっくり振り向いた。
「あぁ、あの…齋藤さん、」
「今週末の大会なんだけど、父兄の応援大丈夫だよね?」
「大丈夫だけど、谷本くんのご両親来るの?」
「いや、ウチの親は来ないんだけど、
妹が来たいって言ってて」
「妹?谷本くん妹いるの?」
「イヤ…妹と言うか、、友達の妹なんだけど」
「保護者が居ないんだ、小学6年だからしっかりしてるんだけど、ちょっと心配で。」
「ベンチ近くか、控え席とかに居させて貰えないかな?」
「私にその権限は無いから…」
「だよね…」
「先生に聞いてみるね?」
「あ…ありがとう!!」
齋藤あかりと話したのは、これが初めてだった。
その姿を、荒木が遠目に見ていた。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
引き続き次回もお楽しみ、いただけると幸いです。




