21話 2人の愛
いつも読んでいただきありがとうございます。
病室を出て、
谷本と美織は歩いて帰る事にした。
「今日はありがとう、一緒に来てくれて心強かったよ。」谷本は美織にお礼を言った。
「全然大丈夫だよ、私も会いたかったから」
「ありがとね、ホントに今度こそお礼するから」
と、美織を家まで送り届け部活に向かった。
この日から、
時々、美津子からLINEが届くようになっていた。
入院中で使用時間などにルールがあるらしいが、病院側も友人や家族と繋がるコンテンツとして、禁止はしていないようだ。
美津子から
しばらく美織との関係について聞かれたが、
最近は記憶喪失について興味が移っている。
藤田鮎子と東堂美津子だけ後ろめたい記憶が、
鍵になって覚えてたなら、
美織にも何かあるんじゃないかと聞かれている。
確かに、美津子の言う事も一理あるが
伊東美織の名前と顔しか記憶にない。
これは事実だ、、ただ
藤田鮎子や東堂美津子のように鍵になる記憶が無いのに、なぜ覚えているのか?
この事は、美織と再会する前から
気になっていたが、美織と再会し
一緒に過ごした時間で忘れていた。
東堂美津子と会ってから、
もう2週間くらい経っていたが、
あれから美織とも会っていなかった。
部活が忙しかった事で、美織の絵が描けて無く、次に会う時に渡すつもりが、
連絡する機会を奪っていた。
あさってから、中間テスト週間で部活が無いから、誘ってみようかな?
美織は谷本と違って、進学校だから
部活の休みは、勉強してるよな。
次の日の部活の時間、
体育館のドアの外に見慣れた顔があった。
「愛ちゃん?!」
愛が体育館の外に立っていた。
「えっ、愛ちゃんなんでここに?」
すると、愛の隣りから
デザイン科の同級生 荒木 愛が、声を掛けてきた。
「今、帰ろうと思って門まで行ったら、
この子が誰か待ってたから、声かけたの、
そうしたら、谷本 寸の妹だって
言うから連れて来ちゃった。」
「まずかった?連れてきたら…」
谷本は愛ちゃんを見て、
「どうしたの?1人で来たの?」と、
声を掛けても、
いつもの明るい愛の雰囲気じゃなかった。
谷本は「練習終わったら一緒に帰る?」
と、聞くと愛は頷いた。
隣りに居た、
荒木 愛が「愛ちゃんって言うの?
私も愛ちゃんなんだよ」と、話しかけてくれた。
荒木は、演劇部に在籍しており、
いつもは体育館の舞台で練習している。
「愛ちゃん、バレー部の見学出来る特等席に連れてって上げる、着いてきて。」
そう言って、舞台の横の階段から
体育館の2階席に連れて行ってくれた。
それを見て
谷本は、荒木に愛を任せて
一旦、部室に戻りスマホを取り出して
美織にLINEしてから、また練習に戻った。
荒木は愛の隣りに座って話してくれている、
普段から、人当たりが良くて、
谷本とも仲良かったので、谷本も安心して
様子を見ていた。
荒木は愛ちゃんと少しずつ、
楽しそうに会話しているように見えた。
荒木は愛ちゃんに話し掛けながら、
少しずつ距離を縮めていた。
突然愛ちゃんが、荒木に訪ねた。
「ねー、あの人は誰?」
と、指さした。
「あー、マネージャーの齋藤あかりさんだよ、
私と谷本のクラスメイト」
愛ちゃんは、
少し眉をひそめて、
「あの2人付き合ってるの?」
荒木は愛ちゃんに、
「それは無いと思うよ、それ言うなら、
なんで私と谷本の関係性を聞かないのよ」
「齋藤さんより私の方が、谷本と仲良いと思うけど…」そう言って笑った。
愛ちゃんは、
「うーん…齋藤さんかわいいから」
「愛ちゃん、私が可愛くないみたいに聞こえるからやめてよー」
荒木は笑いながら、
「愛ちゃんは谷本が好きなの?」
愛ちゃんは真剣な顔で、
荒木を見て言った。
「好きだよ!大好き。」
「そっか〜、じぁライバルだね!」
二人はニッコリ握手した。
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