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記喪転我意 (きそうてんがい)―Lost Memory―  作者: Spumante Rock


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第10話   約束の無い休日

ゴールデンウィークが始まると、

時間は増えるのに、心はなぜか落ち着かなくなります。


期待と不安、

そして返ってこない返信。


この話では、

「待つ側の気持ち」と

「思わぬ出会い」が静かに交差します。


少しだけ、物語の空気が変わる回です。

明日からゴールデンウィーク、

谷本は

戸陽高校の体育館にいた。


今日の練習で、しばらくは練習おやすみだった。


同級生の永野、野村、八戸が、

帰りに買い食いしていこーぜと、

近くの駄菓子屋に行く事になった、バレーボール部の溜まり場になっていた。


八戸が話題を切り出した。


「ゴールデンウィークどっか行く予定あんの?」

野村は、家族旅行

永野は、友達とテレビゲーム

谷本は、

「デザイン科の課題で、人物クロッキー100枚あるんだよ、

モデルを求めてフラフラしてるかな?、、」疑問系で返した。


「八戸はどーするんだよ」

「俺は家族と韓国旅行だ!」


永野が、

「家族旅行かよ、彼女とか作っとけよ。」


皮肉っぽく返したが、

谷本は顔が硬直していた、、、


最近、バレーボール部の溜まり場で、

油を売っているせいで、ランニング時間が遅くなり、

美織と会える可能性も低くなっていた。


ゴールデンウィーク初日

谷本は朝からランニングに向かっていた。


休みで、やる事の無い日は

朝と夜の2回走ろうと決めていた。


美織からの返信は、

思いのほか、早かった


------------------------------------------

谷本くん

ありがとう!でも、ゴールデンウィークは

先に約束してしまって、ごめんね。

また、誘ってください。

------------------------------------------


と、言う返信だった。


約束ってなんだろう、聞いたらダメだよな。


『了解』のスタンプを必死に返した。

あー、終わった。

俺のゴールデンウィークは、トレーニングと課題と言う、

ストイック週間に決まった!



ゴールデンウィーク初日


谷本は、ランニングを終えて

藤田鮎子と再会したStarbucksで、

課題の人物クロッキーを描いていた。


テラス席の端から、

街を歩く人を描く事が出来るベストポジションだった。


「谷本先輩!」と、ショートカットの女の子が立っていた、

「えーと、誰だっけ?」

「私、バスケ部1年の江藤 しのぶって言います。」

笑顔で話す彼女

「江藤さん…会った事無いよね?なんで俺のこと知ってるの?」


「しのぶって呼んでください。私は先輩推しなんで、、」

谷本の課題は、進まなそうだった。


「で、何やってるんですか?」

しのぶ が覗き込むと、

谷本はスケッチブックを見せて、

「課題だよ。人物クロッキーって言うんだ。」

「上手いですねー、凄〜い」


「ありがとう、嬉しいよ」

しのぶ はニッコリ笑って

「私がモデルになりましょうか?」

谷本は少し笑顔になって

「いいの?」


人物クロッキーは許可無く他人を描く事が多く、

後ろめたい感情があるので、

モデルが居ると、一気に課題が進む。


「モデル代で、珈琲奢るよ」


「スターバックスラテが良いです。交渉成立と言う事で宜しくお願いします。」


この日、谷本の課題が進んだ事は言うまでもなかった。


ここまでお読みいただき、ありがとうございます。


投稿日をこれから

土曜、日曜、月曜、火曜、水曜 の5日間連続投稿に変更します。


美織からの丁寧な断りは、

優しさでもあり、距離でもありました。


谷本は傷つきながらも、

立ち止まらず、走り続けます。

その姿勢が、

新しい縁を引き寄せたのかもしれません。


この回で登場した人物は、

今後の物語にも少しずつ影響を与えていきます。


ゴールデンウィークは、

「何も起きない時間」ではなく、

心が大きく動く時間。


次話では、

偶然が必然に変わる瞬間が訪れます。

ぜひ続きも読んでいただけると嬉しいです。

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