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エッセイ

瞬間葛藤のち本気で叱る

作者: 山本大介

 こんなんありました。


実家に帰ると、甥っ子が遊びに来ていました。

4歳の遊び盛りのやんちゃ坊主です。

4月から保育所に行きはじめて、だいぶ自我も目覚めて、我儘になっているようです。

ご機嫌があまりよろしくなかったのか、この前に会った時のあどけなさがなく、ツンツンした感じにみえました「おっちゃんあそぼー」と言っていたあの感じがありませんでした。

・・・小さな違和感。

ふっと気になりました。

なんか違う・・・うまくいえないけど、反抗期?調子に乗っている?

いや・・・なんだろう。

ぼんやりと感じたんですね。


昼飯を食べた後、実家のワンちゃん(ひめ)の散歩に甥っ子を誘います。

即玄関ダッシュ!

私達が出る前に外へと飛び出します。

散歩っーのに自転車(両足がつける幼児用)で猛スピードで家の前の私道を突っ走り、近所の外で飼っている犬にちょっかいだし、ご機嫌で大暴れしています。

「さあ、いくよ。自転車置いて」

と甥っ子に言うと、その場に座り込み、ぶつぶつ・・・靴下履いてないからいきたくないとだだをこねる始末・・・。

私は、奥さんにひめの散歩をお願いし、甥っ子を連れて一旦家に戻ります。

それから、私は奥さんと合流しようと再び外へでました。


・・・ところが、あやつ、黙って家をでで自転車でまた突っ走りはじめました。

今度は私道を越え車道まで行きそうな勢いでした。

その後ろ姿を見て・・・。

・・・危ない。

危ないぞっ!

ぷっちん。

堪忍袋の緒が切れました。

だけど、冷静な自分が問いかけます。

己の感情で叱ろうとしてないか?

いいやこのままじゃいつか怪我する、危ない。

ガツンと言う。

言っちゃる。

よしっ!

私は駆け出し、甥っ子に近づき、憤怒の形相を見せます。

「・・・・・・」

一瞬だけ、固まり、ぽかんとする甥っ子。

「こおらぁっ!なんばしょっとか!危なかろうがっ!」

普段のおっちゃんでは考えられないくらいのでかい声で叱ります。

すると、あやつヘラヘラと笑い、子どもなりのあどけなさで誤魔化そうとします。

(騙されんぞ)

「危なかろうがっ!車にひかれるやろ」

「・・・・・・」

「あ!」

「・・・・・・」

事の重大さ、おっちゃんが怒っているのにようやく気付いたのか、黙ったまま自転車をUターンさせ家にいる母のもとへ行こうとします。

そのまま並走し、怒り顔を見せ続ける私。

しかし、流石の4男坊、まわりにこなされているから泣きません。

しっかり我慢しています。

そこは強いしエライ・・・だけど・・・。

ここで知らせなきゃダメだ。

危ないって・・・。

私の頭の中が警鐘を告げ続けています。


しかも甥っ子は、この期に及んでまだなんとかなりそう(うやむやにできそう)、そんな態度が滲みでておりました。

無言のまま自転車を走らせます。

家の手前まで来ると、私は、ひょいと彼のむ首根っこを掴み、

「ヘラヘラして!まだ自転車乗りよろうが!降りろっ!」

と、トドメをさします(笑)。

彼は無言のまま、家にダッシュそして母(妹)に泣きついて号泣します。

妹に叱られ、うちの親たちからも「危ないって思っとったけん言うてよかったよ」と、私の叱りに擁護がありました。


「俺の役割じゃないけどね」

私はぽつりと本音を言ってしまいました。

出来る限り、楽しいおっちゃんでありたいやん。

しばらくすると、すぐにけろりしていましたけどね。

やっぱね・・・危ないけんね。

その後、甥っ子、険がとれたかのように、いつもの感じに戻っていました。

いや~やっぱり嫌われたくないじゃないですか(笑)。

でも、やっぱり・・・ね。

ふふふ、私がそう見えた(見たかった)のかもしれませんね。




 感情のままになってなかったかな?

 問いかけた後、心がヨシッ!と言ったんだもん(笑)。

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― 新着の感想 ―
 大きな子ども相手だとどうすればよいのでしょうね。  叩いたり叱ったり諭したり、これらの真意を理解することのないため手を焼いております。  最近手伝ってくれる人も現れてるんだけど、彼らにまで飛び火しな…
ちゃんと叱ってくれる存在がいるって大事ですよ。ほんと。 危ないこと、やってはいけないこと、ちゃんと教えてあげる方が大切ですよ。と思います、私は。
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