アリスティア・リリーウェル ～コッツウォルズ編～

　「魔法は人を救う力か、それとも命を奪う呪いか」
　世界の変革に彼女の存在は必要不可欠だった。彼女は敵か？味方か？決め手は一つの選択肢だった。
　2034年、ロンドン。
　13歳の少女アリスティア・リリーウェル。ある日、彼女の居場所は全て燃え落ち、頼れる人もいなくなった。
　人生の岐路に立つ彼女は、亡き恩人が残した一枚のメモに記された住所へと向かった。
　そこにいたのは、謎多き魔法使いセレーナ・ウィンド。彼女の導きにより、アリスティアは“魔法使いの世界”へと足を踏み入れることになる。
　アリスティアはコッツウォルズの隠された魔法界で出会った、ウィリアム・ルークスとその家族との新たな生活を始める。魔法使いとしての才能を開花させ、ルークス家の人々と絆を深めるアリスティア。しかし、その裏で世界は静かに、確実に崩れ始めていた——。
「魔法を恐れ、根絶を望む者たち。
　純血を誇り、力なき者を蔑む者たち。
　そして、歪んだ世界の中で見過ごされる、声なき犠牲者たち——」
「抑圧と対立が渦巻く魔法界で、彼女は生き抜くことができるのか。
　それとも、理不尽の闇に呑み込まれるのか——」
　アリスティアはただ、自分が幼い頃夢見た「世界の人々を笑顔にする」という願いの為に闘う。