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イチオシ短編

道徳の教科書に載ってそうな不道徳な話

作者: 七宝

「ア」にも「イ」にも見える字を書いた。ジャンケンのグーチョキパーみたいなやつだ。


 翌日、先生に呼ばれた。


「これって、『ア』でいいのか?」


 他の人の答案のその部分が下から覗いていた。


 答えは「ア」だった。


「はい、アです」


 本当は分かっていなかった。


「了解、わざわざ呼んで悪かったな。次からは分かりやすい字で書いてくれな」


「はい⋯⋯失礼します」


 後日。


「ごめんなさい先生! 実は僕、あの問題分かってなかったんです!」


「だろうな」


「えっ」


「分かってる奴はちゃんと書くからな。『ア』が書けない中学生なんていないだろ?」


「確かに⋯⋯」


「良かったよ、申し出てくれて。信じて待ってたんだ。ありがとな」


「先生⋯⋯! こんなに優しい先生を騙そうとしてたなんて、僕は⋯⋯!」


「気にするな、誰にでも間違うことはある」


「ありがとうございます! じゃあ気にしません! さようなら!」


「えっ、ちょ待⋯⋯」


 その日はぐっすり眠れた。

 そう簡単に人は変われない

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― 新着の感想 ―
[一言] 「気にするな」って言われましたものね(笑)  先生も次の日、「すまん! 本当はわざとか、わざとじゃわからなかったんだ」って言ってくるかと思いました(汗)
[良い点]  タイトルどおり!  主人公くんは素直ですよね……。 [一言]  あとがきに笑いました。
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