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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

人生の選択は、まるで回転寿司。

作者: 沖田 楽十

「後悔、先に立たず…」


「…え? なに、藪から棒に…」


「あのさ、人生ってさ、まるで回転寿司の様だよね」


「………どの辺が…? 」


「欲しいなぁ、と思ったヤツを取りそこねて、次にそれが取れなかったら悔しいじゃん? 」


「あー…だね」


「でもさ、それがまた自分の目の前きた時、さっき見た時はキラキラしてたのに、時間が経って、鮮度せんどが落ちてると、あの時食べてれば、美味しい状態で食べられたのに!!! って後悔しない? 」


「あー……まぁ、ちょいあれな発想だけど、そうだね」


「でさ……それって、人生…というか、人間関係の選択に置いてはありがちだなぁ、って」


「……と、いうと? 」


「あの時…自分が取った皿は、人に例えると、関わりたかったから、接点を持つ為に皿を取るわけじゃん? 」


「あー……」


「で、皿を取って、寿司を食べるかどうかは、取った人にゆだねられるわけだけど…。これを人間関係に例えると、【食べる】は【関わる】で、【食べない】は、【気になる人だけど、関わってない】で…。でも、寿司を取った行為…つまり、流れてるレーンにまた戻せないわけだから、食べない行為は、自分が気になる人だけで、気になった人は、自分の事を知らない。つまり…その……」


「自分が動かない限りは、なにも始まらない、って事? 」


「そっ…そうそうっ! よくわかったね? 」


「………で? なにがあったの? 」


「……………えっ…? 」


「回りくどい言い方せずに、相談したい事があんなら話しなさい」


「っ……あのねっ! 一ヶ月前に、めちゃくちゃ気になるなぁ、って思ってた服があったの! でも、高いのよ!! 買いたいけど、勇気が出ないと手が出せないというか……」


「あー…わかる。高い物買うのって、すっっっごく勇気がいるよね! 」


「そうそう! でっ! ……一昨日…漸く勇気を出して、買おうと思ったの!! そしたら……」


「売り切れてた、ってわけね? 」


「っっ……悔しいよっ!!! もう少し早くに勇気を出して買っていれば…」



 いや、その前に、人間関係のトラブルで落ち込んでるみたいな前置きはなんだったの!? と、突っ込みそうになる言葉をなんとか飲み込む。



「縁がなかった、と思えば……」


「解ってるわよ、そんな事!! でもねっ! 頭では理解してても、買えなかった後悔が強過ぎて、ショックの感情が強過ぎて、気持ちが追い付かないのよ!! 何処にこのしんどさを当たればイイのか、分からないのよ!!! 」


「……左様さよう、ですか…」


「私、今めちゃくちゃ苛々(イライラ)しててさ……嫌な思いさせる事、多いと思う…ゴメンね」


「………いいよ。毎度の事だから慣れてるし…。でも、私がそーゆう時は……」


「うん! お互い様だもんね? 大丈夫、心得こころえてます! 」


「しっかし、アンタが言う、『人生の選択は、まるで回転寿司みたい』って、まとを得てるわね」


「?」


「だってさ……私は、ずっとアンタの事を知ってたし、気にはなってたけど、声を掛けるつもりはなかった。人気者のアンタと、普通のポジションでいる事にしがみついていた私には、勇気がなかったから…。でもあの時、アンタに声を掛けなければ、こうやって私達が友達になる事は、なかったと思う」


「っ……私、人気者じゃないし…それに……私も、やっちゃんの事、ずっと気になってたの。ずっと、友達になりたいと思ってた」


「ッッ……ぷっ! これさ、男女なら、プロポーズっぽいよね!? 」


「ふふっ……だね? 」



 其処で、私が何故、ずっと前からタエコの事が気になっていたのか解った。

 タエコは、何処か危なっかしいコだからだ。


 世の中には、自分は同情を誘う様な言動を取るクセに、逆に情で訴えられると、自分にとって利益があるか不利益で考えるか咄嗟とっさに考えて、行動を取る者がいる。

 別にそれは、生きる上で仕方がない事だ。仕方ない事だが、ーー自分以外の周辺にもその影響を与える場合もあるので、見極みきわめなくてはならない。


 タエコは……私以上にそーゆう合理的な人を見極める能力が高いクセに、そーゆう人達と一線を引く事なく、全てを受け入れる。自分の身がボロボロになっても、だ。

 同時に、タエコの周辺もボロボロになっていって、折角タエコの為に動いてくれてた人達が、もうついていけない、と距離を取ってしまう始末。

 お人好しも度を超えると、自分が優位に立つ為なら、他人が如何なろうが如何でもイイ価値観の持ち主同様に、周りを不幸にする。

 そして、ずっと自分は賢い合理的な方だと思っていたが、タエコと関わって気付く。自分も、情に流され易い、とんだお人好しだと。



「タエコ」


「うん? 」


「私のいう事を全て聞いて! とは言わないケド……情で訴えてくる人が、みんな優しい、って事は無いからね? 」


「…えーっと……なに? 突然…」


「……………」


「……やっちゃん? 」


「っ……」



 私の言いたい事、解ってるクセに、気付かないフリをする。タエコは、私に対しては、裏のかおを見せる。

 それは、私に気心を許してる、って考えれば嬉しいものだが、……不安にさせる言動だから、素直に喜べない。


 恋愛に例えたら、結婚詐欺に引っ掛かる気持ちって、こんな感じなのだろうか? と思う。

 もしそうなら、本気で自分を好きじゃない相手は心理学を用いてやるから余裕で、逆に本気で好きな人は余裕がないからわかりづらい反応を取ってて、それで余裕のある方が良く見える事が多いから、ターゲットは余裕のある方に惚れて……皮肉な話だ。


 私もまた、目の前を流れてきた「タエコ」という寿司が乗った皿を取り、その際に、【かかわる】か、【かかわらない】か、私以外知らない状態で、決める事が出来た。

 でも私は、ーーあの時にかかわる事を選び、私だけじゃなく、タエコ自身もまた、私とかかわる事を選んだ。

 これだけ聞いたら、運命的な出逢い、なのかもしれない。でも運命なんて、自分が「運命だ」と思えば、全てが運命だと思う。現に、情で訴えられては、よく騙される私は、その運命で騙されてきた事が多いからだ。

 合理的な人が苦手なのは、その「運命」を多用するから…。



「……ほんっと、的を得てるわ…」


「………えっ? 」



 運命がもはや口癖みたいな人で思い出したのは、此方に自分を意識させるのが上手いのも多いイメージがある。視界に入れない、相手にしない…等、その人物の関連するものを見ない様にすればイイのだが、一度気になると、たべないという選択は出来るが、意識は持ってかれてる無駄な時間がある為、【時間】という【支払い】はある。

 お互いの「寿司」を食べた事で、そっからは相席で、レーンの上で流れてくる「寿司」が乗った皿を、取るか取らないかで揉めたりするのが、友人や恋人、または結婚相手なのかもしれない。そして、相席を辞めたとしても、相席してた支払じかんはあるわけで…。



「【人生の選択は、まるで回転寿司。】って、話がさ」









後書き

このタイトルの、「人生は回転寿司みたいだなぁ」と思う事があり、このタイトル名使っても大丈夫かな…と検索したら、、

某有名な方のコラムで、そーゆう例えをしてる内容があって……お借りします!!

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