隻腕のゴール誕生
ジャール:よう、ゴール! ざまぁ、ねぇな! こんなところに閉じ込められて。
ゴール:ジャ、ジャール? てめえ、どうやって入った? この部屋には、出入り口なんてねーぞ?
ジャール:へへ、そいつは、俺様のスキルだ! それよりも、こいつを見ろ!
ガリゴリ:グルルルル。
ゴール:ガ、ガリゴリだと?
ジャール:こいつに、おまえを食わせる。さぞかし、強くなるだろうぜぇ!
ゴール:ただ、恨みを晴らすだけじゃねぇんだな。さすがに、がめついぜ。
ジャール:お褒めにあずかり、光栄だぜ! しかし、たーっぷりと、いたぶってやるから、安心しなぁ!
ゴール:ほぅ?
ガリゴリ:ガルルルル。
ジャール:おい、ガリゴリぃ! まず、こいつの左腕を食ってやりなぁ!
ガリゴリ:がぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっ!
ゴール:ぐううううう!
ジャール:ははっ! 天下のゴール様もざまぁねぇぜ!
ゴール:そいつはどうかな?
ジャール:あぁん?
ガリゴリ:ぐ? ぐうう? ぐぅぅぅぅぅぅ!(苦しみだす)
ジャール:ゴール? てめぇ? 何をしやがった?
ゴール:あ~? 俺ぁ、ただ、左手に小型の銀のナイフを握っていただけだぞ。
ジャール:ぎ、銀のナイフだとぅ? て、てめぇ? いつの間に?
ゴール:注意が足りねぇんじゃねぇの? ご主人様?
ジャール:くそっ! こいつを手に入れるのに、いくらかかったと思って……。
ゴール:あ~? 大事な大事な俺様の左腕だって、もう、生えて来ねぇんだぜ?
ガリゴリ:ぐああああああ!(苦しそうな声)
ジャール:うるっせぇなぁ! さっさと吐きだしゃ、いいだろう?
ゴール:けものが、一度食ったものを吐き出すかよ?
ジャール:くっそぅぅぅぅぅ!
ゴール:は! てめぇ一人なら、片手でつりが来るぜ!
ジャール:やってみろ!
ゴール:はきだめの蛇といにしえの龍! かのものを亡骸へと変えよ!
ジャール:ぐわっ!
ゴール:大口叩いといて、一撃でやられてりゃ、世話ねぇぜ。
ガリゴリ:ガルルルル!
ゴール:あ~、はいはい、おまえさんも、今、楽にして、やっから。
ガリゴリ:ごああああああ!
ゴール:その前に、俺を、ここから、出してもらうぜぇ。
ガリゴリ:グルルルル!
ゴール:ジャールさん、武器、いただきま~す。
ガリゴリ:うがぁぁぁぁぁぁ!
ゴール:おらよ!(ざくっ!)
ガリゴリ:うがぉああああああぁぁぁぁぁ!(激しく痛がる)
ゴール:ほ~れほれ! 暴れろ!
ガリゴリ:ぐがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
ゴール:ほら! こっちだ!
ガリゴリ:ごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
ゴール:煉獄の炎と天空の雷! かのものを爆ぜさせよ!
ガリゴリ:どっかーーーーーーーんっ! ガラガラガラガラガラ!
ゴール:お~! こりゃ、また、派手に行ったなぁーーーーーーーーっ! 壁も崩れたぜ!
ガリゴリ:以上が、隻腕のゴールが野に放たれてしまった顛末である。(ナレーション風に)