学園#2
「模擬戦だと!?お前よ馬鹿を言うなよ?死ぬぞ?」
偉そうにしている生徒は少し焦ったのかどうか分からないが高校生にしてはなんとも言えないくらいの返答だった。
「模擬戦で人が死ぬくらいならその相手はそれまでのことだが君は新入生である僕にすら本気でやらなくてはいけないくらい全力で向かってきてくれるのかそれは嬉しい事だな。」
お互いに引けなくなっているのか優等生君は余裕があるように相手を煽る。
模擬戦それは学生間に置いて互いに実力を分からせるには簡単なことでもあるが、この魔法学園において、模擬戦は生徒会で認定が降りなければ決行されないと生徒手帳に記載されている事は、新入生である彼らにはわかるはずではなかった。
「はーいはーい君たちの模擬戦なら私が審判をするとしようじゃないか。」
そう切り出した女子生徒は楽しそうにこのピリピリした環境で審判を名乗り出した。
「簡単にルールを決めようじゃないか、魔法は相手を殺さない程度のCランク位にし互いの剣は鞘に入れたままでいいかな?」
「問題ない」
2人の返答はほぼ同時だった。
「ではここにて室町奈津美による公式な模擬戦を取り行う互いに構えこのコインが地面に落ちたタイミングで開始とする。」
大きく上げられたコインは3.2.1といわんばかりに地面に落下し模擬戦が始まった。
魔法でモニター化された模擬戦の戦況
魔法学園の模擬戦は相手に与えた数、又は相手を気絶に追い込めば勝利となる。その中で死というのはたまにある事である。
俺はモニターを見て喧嘩していた2人を知る。
偉そうにしていたのが平智則優等生君は春河那月である事を確かめた。
「そこまでだ」
唐突に大きく上げられた声は周囲にいた生徒だけでなく戦おうとしていた2人ですら声を上げたほうに顔が向けられた。
「許可の下りていない模擬戦をするのは、処罰の対象だ!」
このいざこざを止めに入ったのはおそらくこのクラスの担任の教師と見られる人であった。
見た目があまり生徒とは変わらないくらいの若さだが見ればわかるほどの魔法量を持っているのが分かった。
「なんだ?てめぇ俺様のすることにケチでもつけるのか?」
平はそう腹を立て圧倒的に力が違うと分かる相手にすら喧嘩を売り始めていた。
「貴様のようなド素人に相手をするほどあたしゃ暇じゃないよ。あたしゃあんたらド素人のクラスに配属された教師のアマダだ少なくともあんたらとは3年は同じクラスを共にする身だ教師と生徒とは戦うのはご法度だしそもそも実力が違う。戦いたかったら卒業してからだな。」
そうアマダという教師は軽い自己紹介をすまし一連のいざこざ収束させた。
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入学式を終え自分のクラス教室に戻り、初の休み時間というのが来た。
「ねぇねぇ君さアルフレッドっていうのねもしかして外国人かな?」
そう話しかけてきたのは白髪の男の生徒だった。
「いや俺は外国人ではないよハーフであるのは間違いないけど、君は?」
「俺は安西修、シュウと呼んでくれ。日本の魔法学園では、ハーフは珍しいよねちなみに得意分野は風の魔法だ、アルフレッドは?」
「俺は魔法はあまり得意ではないんだ、剣が評価されたのかはわからないけど、実家は魔法剣も作ってるし、そこが評価されたのかもな。」
そうアルフレッドという青年は火、水、地、風、光、闇といった6属性の魔法は得意ではない。
彼の実家は武器やでもあり、魔法の得意ではないアルフレッドのために魔法剣を作った家系である。
「魔法剣とはめずらしいよな、それにしても剣だけってのはこの学園だけだと生き残るには結構難しいんじゃね?俺ら魔法使いは剣こそ今では使ったりするがメインにはなりにくいよな。」
「まぁ間違ってはないんだよな、生まれてこの方6属性の魔法がどれかはうまく使いこなせるとは思っていたんだが、使えない以上はどうにかしていかないと、この先生き残れない。」
「魔族との戦争か、実際はどうなんだろうな、現地での戦いは」
「おい今は戦争自体は止まっているんじゃないのか?」
「なに言ってるんだよ戦争が止まったのは、一時的であってすぐに開戦しているんだぜ?だからこうやって魔法学園が設立したんだよ。」
俺はとんでもない事実知った。おいおい戦争が今でも起きているなんて戦場は?実際に今戦っている兵はどこから出ているんだなどと疑問が多く出る。
ここで休み時間が終わり、教師が教室に戻ってきた。
アルフレッド君は世間知らずの剣士です。