十一話~冗談と冗談じゃない話の区別って難しいよね~
召喚の儀式から五ヶ月がたった。
俺は、五ヶ月間肉体を鍛え上げ、飯を食べまくっていたので、成長期ということもあり、身長が約半年で七センチほどのび、がたいも良くなった。
今日もいつも通り六時半に起こされる。
「おはようございます!たつき様!」
執事服を着たヴァンがいつも通り大声で挨拶をする。
あれからというもの、隠してるのは、面倒なので町に行った時拾ったことにした。ヴァンは、見た目を変えることができたので都合がよかったのだ。
「おはよう。ヴァン。今日は、パーティーだっけ?」
「はい!公国との交流会があります!」
そう。今日は、両国の勇者のお披露目会なのだ。そこでは、五ヶ月ぶりに池崎と合う予定だ。俺は、久しぶりに合う池崎に少しワクワクしていた。そんなことを思いながら学校へいく支度をして、朝食を食べるため食堂へ向かった。
「たつき、ヴァンおはよ。」
「おはようございますアリア様」
ヴァンが微笑みながら挨拶をする。
「おはよう。アリア。いつもよりも眠そうだね。」
「そうなの。昨日は、いつもよりも勉強が捗っちゃって」
「再来週からは、テストだもんね」
「ええ。たつきは、テストは、いつ受けるの?魔物の討伐があるんでしょう?」
「ああ、テストは明後日受けるよ。」
そう。討伐に参加する前に一回ちひろたちとで集まる予定なのだ。
「頑張ってね。」
アリアが少し顔を赤らめて言う。
「ああ、勿論」
俺は、頷きながら応えた。
「おっほん。国王様方が待っております。」
ヴァンが不満そうに咳払いをする。
「わかったよ。じゃあいこうか。」
そういって俺たちは、止まっていた足を動かして食堂へ向かった。
「今日は、随分遅かったな。」
国王様が少し不満そうに言った。
「食事は、冷めてしまうと美味しくない。これからは、もっと早く来るように」
「「はい。すみません……」」
「まぁまぁ。そんな怒っても仕方がありませんわ。早く食べましょう。お父様」
コアありがとう!今度ジュース奢ってあげちゃう!
「ところでたつき。何故学校へいかないのに制服を着てるのだ?」
「へ?」
「たつき様。今日は、パーティーだから休むよう、国王様がいっておられておりました。」
「あー!!!忘れてた!普通にいくつもりだった。」
「やれやれ。たつきは、勉強はできるが抜けてるところがある。討伐では、失敗しないように。」
「はい……気を付けます……」
俺は、お披露目会のことで頭が一杯で、公国の王様、貴族、商人のお出迎え。そのための服のサイズチェックと礼儀作法の確認をするため学校は、休むよう言われていたのをすっかり忘れていた。
午後の5時
俺は、国の正門にたって公国のお偉い方の馬車が来るのを待っている。周りには、たくさんの国民もたっていて、公国の勇者と王様を見に来ている。そのため、身動きは、とれず護衛の兵士も押し潰されている。
「コスモ公国、国王様のご入場!」
兵士が大声で叫ぶ。そうすると、王冠を被ってメダルのような物をたくさんつけている人が国民に向かって手を振る。たぶんこの人が国王様なのだろう。
そんなことを思いながらパレードを見ていると
「しねー!」
兵士を押しきってナイフを持って国王様に襲いかかる。
「危ない!」
俺は、咄嗟に体が動いた。俺は、怠惰を十時間と身体強化を解放して襲いかかる男の手をつかんでナイフをとったら上にのって下顎を殴って気絶させる。
「ありがとうございます!」
「おまえうちに来ないか?」
「へ?」