八話~答えたい~
俺とアウスが話していると図書室のドアが勢い良く開いた。
「たつき!」
「ん?どうし……」
「ちょっと来て!」
「え?っちょ」
「頑張って~」
アウスが煽った口調で言ってくる。他人事だと思ってあの野郎!
俺が十五分ほど引っ張られてついたところは、もう使われてないのが見てわかる古びた倉庫だ。だけど、中は少し掃除されていたからアリアが掃除したのだろう。
「来て!」
アリアが俺の腕を少し強引に引っ張って倉庫に入れる。
「どうした?」
少しアリアが戸惑いながら
「私……たつきのこと……好きなの」
正直わかっていた。俺だって鈍感って分けじゃない。だけど、今の関係がなくなってしまうのが怖くてアリアの気持ちに目をそらしていたのだ。最低だ。アリアは、まっすぐ気持ちを伝えてくれているのに
「ありがとう。でも、ごめんそのきも……」
「知ってたわよ。あなたがそう言うことくらい。たけど、一度ふられたからってそこで終了じゃないでしょ?」
とアリアが俺の言葉を遮って言う。
知っていたかのように答えた。
「私、絶対に諦めないから!」
アリアは、そういうと倉庫から出ていった。
「アリアは……強いな……」
それに比べて俺は……
そんなことを思っていると涙が出てきた。
俺に勇気を振り絞って告白してくれた人をふる権利なんてあったのか?
振られるのを知っていてコクった人を……
いいやない。断言できる。人の気持ちから目を背けて、自分の気持ちともろくに向き合えていない。
翌日
アリアは、いつも通り声をかけてきた。
「たつき!おーはよ!」
「おはよ。アリア。」
「今日の授業って何があったっけ?」
「たしか、召喚獣の授業があったと思うよ。」
「私、頑張るね!」
そんなに張り切っているのか?と俺はまた、目を背けた……
召喚獣の授業は、二回目で、担当はシルバー・スカーレット先生だ。
「今日は、召喚獣を召喚してもらいます。召喚獣とは、自分の魔力を魔方陣に込めて形成するものです。ですが、魔方陣を通していることによって意志があります。自分の魔力が強ければ強いほど召喚獣も比例して強くなります。」
「このように召喚獣とは、魔力の集合体こようなものです。何か質問は、ありますか?」
「はい!先生!」
「なんでしょう?ガントレットさん」
ガントレットとは、アウスの性だ。普段アウスのことを性で言うのは、マリア先生だけなので、すごい違和感を覚える。
「召喚獣って暴れたりしないんですか?」
「いい質問です。自分の魔力で形成されたものなので主に絶対の忠誠を誓っているのでそれは、あり得ません。ですが、召喚できるのは、一度だけなので、くれくれも失敗のないように」
「では、早速魔方陣を各自に配ります。もらったものから外に出て召喚を行ってください。」
といい手帳サイズの魔方陣を配っていく。これをチョークのようなもので地面に写して拡大してから召喚するらしい。あとこれはあまり関係ないが、俺を召喚したときは、すごくでかい魔方陣だったので、召喚するものによって魔方陣の大きさも関係あるっぽい。
俺は、何が出るかうきうきしながら外へ向かった。