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死に物狂いの英雄  作者: 椿 冬華
第二部 フランス編
17/49

二〇三三年一月八日 日國新聞 特報

挿絵(By みてみん)


【未確認生命体〝ヒトガタ〟と、英雄〝神社戦〟について】


 七日に発生した未確認生命体による襲撃事件、以下国際連合命名ヒトガタ(Humanoid)襲撃事件を受けて国際連合がヒトガタ対策本部を緊急設置した。

 日本に出現した巨大なヒトガタは神社戦さんにより討伐されたが、その際に個体名〝SPIRITUS SANCTUS〟があることが判明した。そしてアメリカにおいてレドグリフ・キリングフィールド中将により討伐された巨大なヒトガタには個体名〝FILIUS〟があったことから国際連合はこれらを〝三位一体〟に由来して名付けられたものであるとし、また人為的なものであるとも断定した。


 日本、アメリカ、フランスの三国にヒトガタの集団が上陸、襲撃した事件について日本は死者・行方不明者数が一万二千人になっている。アメリカは少なくとも死者二万人とされ、フランスに至っては三万を超える可能性があるとされている。

 日本とアメリカ両国において巨大なヒトガタを討伐した神社戦さんとレドグリフ・キリングフィールド中将は自国での戦いが終わった後すぐフランスに向かい、日本時間八日午後十四時、フランス時間午前六時に合流して巨大なヒトガタ、個体名〝PATER〟の討伐へ赴いたとのことである。


<神社戦さんについて>

 ヒトガタの弱点を発見した上で多数討伐し、通常個体の弱点が合致しない特殊個体、巨大なヒトガタをも倒した神社戦さん(24)について、叔父であり陸上自衛隊の神社倭かみやしろ やまとさん(45)に取材をした。

 それにより、神社戦さんは身近な人たちから〝最強〟と呼ばれていることが分かった。神社戦さんは二〇〇八年九月九日に香川県で生まれたが、新生児の神社戦さんの体重は十キロを超えていたという。三〇〇〇グラムで誕生する新生児と何ら変わらぬ大きさと体格で、一〇〇〇〇グラムを超えていたのである。精密検査の結果、神社戦さんは常人の数十倍もの筋細胞を含有しているということが分かったそうだ。つまり、見た目は他の人間と変わらぬ筋肉であってもその密度には何十倍もの差があるということになる。

 筋肉が異常発達する症例にはミオスタチン関連筋肥大というものがあるが、こちらは筋肉の密度が圧縮されることはない。異常発達に伴い、その発達に相応しい成長を筋肉が遂げる。だが神社戦さんの筋肉は異常発達こそそれどそれに伴う成長・肥大は一切しない。逆に圧縮・凝縮されてしまうのである。

 だから一般人女性の様相であるというのに神社戦さんはあんなにも、強いのだ。




<追記>

 中国において四体目が確認された。




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