羊の 『モーさんの逆襲。』
ここは、羊のモーさんを含む羊たちが、放牧されている場所。
1年間は、自然に生えている草や葉っぱを食べて、モコモコと
体中の毛を伸ばし放題。
しかし...羊たちの中にいるモーさんは10年以上、毛を刈られて
いない。モコモコが、他の羊たちの何百倍も毛で覆われている。
顔も毛でモコモコ。動くのもやっとだけど......?
まだ、人間に捕まえられたくないモーさんは?
未だ、『秘密の場所』で見つからないように隠れて捕まっておらず。
他の羊たちは、1匹、また一匹と捕まって毛をバリカンで刈られる。
モーさんの 『人間嫌い』 が、こういう風にさせているのか?
10年前に、毛を刈られた時に...へたっぴーの見習いの小僧に毛を
刈られて、あちこち血が出る程の怪我をしたから?
物凄ーく! モーさんは、毛を刈られる事が嫌になってしまった。
まさに!? 『トラウマ』 になってしまったのだ!
それと、モーさんがもう1つ嫌いな? ボーダーコリーのJだ!
この犬! 僕たちを追いかけ回すから、嫌いなんだ。
それにたまに、噛んでくる。
「ウーー! ガルガル~~ ウーー!」
「なんて! 怖い顔しやがるんだーーーーー!!! J!」
「これが! 俺の仕事なんだよ~ 黙って! 言う事を聞け~!」
「人間のいいなりだな~ J!」
「なにお~ 噛みつくぞーーーーーーー!!」
「やめて~ 怖いよ~ 逃げろ~ 助けて~」
「ガウガウーーーーーーー!! ガブ! ガウガウーーー!!」
「なんてことしやがるんだーーーーー!!!」
まぁ、僕の毛がモコモコ過ぎて噛まれても痛くも痒くもないんだけどね!
10年モノの毛がここで生かされている。
それでも? ボーダーコリーのJは...? 物凄くしつこい!
だから、僕は腹が立って、突進してやる!
Jと少し距離をとって、助走をつけてから......。
「ドーーーーーーーーン!!!!!」
「キャイーン キャイーン」 と鳴いて、退散していく。
僕は、「ざまーみろ~と!」 大きな声で笑ってやるんだーーーーー!!
「だけど...? 最近は、流石に体が重くて動くのもやっとでさ~」
「だから、正直イヤだけど、我慢して人間に捕まってやったよ~」
すんごい量の毛が刈られた。しかも? 今回、僕の毛を刈ってくれた人は、
ベテランの人で、僕はなんでもっと早く毛を刈ってもらわなかったのか?
少し後悔した。めちゃめちゃ上手じゃん!
10年も伸ばし続けた毛を刈られて、寂しい気持ちとスッキリした気持ちが
入り混じっていた。
でも、間違いなく! 体は軽くなった。あんなに重かった体が、自由に
動ける感動をモーさんは感じていた。
でもさ? これから秋から冬になっていくのに......。
この時期に、毛を刈ったのは? 『失敗』 だったような?
まぁ、モーさんはまた、 「伸ばせばいいじゃん!」 ぐらいにしか?
思っていないんだけどね! 『能天気なモーさん。』
それに次、モーさんと会う時は、突進して来るかもしれない。
「人間嫌い」 は直ってないみたいだしね!
これからも、モーさんの毛を伸ばす時期がまた、長くなるだろう。
「伸びよ~ 毛。」 モーさんの毛を伸ばす年数も次はどうなる
事やら...?
最後までお読みいただきありがとうございました。