第七話 チュートリアルのその後で・・・
本日2話目の投稿です。
白い光に包まれて街の中に戻って来た。
始めに見た時と同じ、活気ある街がそこにあった。
「・・・はぁ」
口から出たため息は賑やかな喧騒に紛れた。
うん。逃避するのはやめよう。
アスフィルさんだって別に嫌がらせで言った訳じゃない。期待してくれてるってだけだ。
貰った称号の確認しないと。
「ステータスオープン」
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取得称号一覧
[水精霊の加護]
水の精霊と友誼を結び加護を得た者に与えられる称号。
水属性の魔法が強化され、水属性の受けるダメージを軽減する。
海底神殿に入ることを許可される。
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わあい。凄く有用な効果だぁ。他のプレイヤーにバレたら妬まれそうだなぁ〜。
うん。隠そう。
私ってば秘密の多い女なのよ〜〜っ(泣)。
なんかツライ。
これはもう、ソロで行くしかないね。元々シュナの称号のせいでソロで行く以外の選択が無いもんね?性別詐称しなきゃならないしね。泣いてない、泣いてなんかないから。
さて、一息ついたところでもう一つ確認しないとね?
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フレンド一覧(登録1人)
ブラックリスト一覧(登録0人)
メール(1通)
フレンド申請
PvP申請
掲示板
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お分かりでしょうか?
私、まだ何もしてないのにフレンドが居るんですよ。
誰ですかねぇ?分かりませんねぇ?分かりたくもないですねぇ。
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フレンド一覧
・***〔現在表示出来ません〕
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え?
ちょっと予想外。
シュナの名前があると思ってたんだけど・・・。
メールの方も確認してみるか。
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メール一覧
・『たすけt』
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from:***〔現在表示出来ません〕
題:『たすけt』
『たすけt。abスに封印srcってうgknいの。コノmmjkn世kいが#$#☆々€%♪』
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ええっ?何事⁉︎
シュナ?もしかしてガチピンチ?マジで?
・・・いや、待てよ?あのシュナがピンチとかあり得なくない?
これは・・・罠だな。間違いない。
そもそも何処で何してるかも分かんないし、考えるだけ無駄だね。
よし、そうと決まれば早速・・・?
あ、そうだ。雑貨屋に行くんだった。アブナイ忘れるとこだった。アイテムバッグ見ないと。
・・・何処だろう。
闇雲に探したって見つかる訳ないよね?
と言うことで誰かに聞いてみようか。あ、あの人とか教えてくれそう。
「冒険者ギルドはこっちだ。初心者でも大丈夫。優しい先輩達が丁寧に教えてくれるぜ」
見た目めっちゃ厳ついけど、だからこそ冒険者って感じ。とりあえず冒険者ギルドに行って登録して、その時に雑貨屋とか宿屋とかの場所を聞こう。
「すみません、そこの強そうなお兄さん。冒険者ギルドに登録したいのですが」
「嬉しいこと言ってくれるな、兄ちゃん。登録したいなら中に入って受付で手続きしてくれ」
親切に答えてくれたのは嬉しいけど、兄ちゃんって・・・。
いや、分かってる。分かってるよ。今の私は男。男・・・。
凹んでなんかいられない。
よし。行くぞ。
冒険者ギルドの武骨なデザインの扉を潜ると、そこにはファンタジーが・・・広がってなかった。あれ?
冒険者ギルドってアレだよね?酒場になってて、さっきのお兄さんみたいな厳めしい面の人達がお酒片手に騒いでるんじゃないの?
ナニコレ?役所?
確かに見た目、ザ・冒険者って人達がいるよ?獣人もエルフもドワーフもいるよ?
けど、窓口って言うの?ガラス一枚隔てた向こう側に何かを渡して、おそらく硬貨の入った袋を受け取るだけだよ?
壁際には確かに依頼書とか指名手配書とかあるみたいだけど、なんか違う。思ってたのと違う。
アレだ。迷宮で出会いを求めちゃう系のアニメに出てくる感じだ。確かに機能的だとは思うけどさ。
ってそんな事より登録しに来たんだよ。受付に並ばないと。
「もしかして君、ギルドは初めて?」
後ろから声を掛けられた。
振り向いてみると白いウサ耳の女性がこちらを見ている。なんだろう。
「もし、ギルドに登録しに来たのなら登録受付はあっちだよ?」
彼女が指差す方向には確かに『登録受付』と書かれたプレートが下げられている。
「親切にありがとうございます。貴女の言う通り、ここに来るのは初めてで勝手が分からなかった所です。教えていただけてなかったら二度手間になる所でした」
「いや〜。今日は新人さんが沢山来てるからね。皆、キョロキョロして並ぶからこっちも慣れちゃったよ。もっとも、お礼を言う人は少ないんだけどね」
どうやら他のプレイヤー達もギルドの登録に来ているらしい。まあ、当然か。
しかしアスフィルさんといい、この女性といいプレイヤーの皆さん何やってんの?アンタら日本人なの?礼儀を何処に置いて来た。
「ま、冒険者なんてそんなもんだし、気にしないけどね〜。気分は良くないよね。もちろん貴方みたいに礼儀正しい子もいるんだけどさ。そんな顔しないで、貴方が悪い訳じゃないんだから」
なんかあったら言いなよ?分からなければ聞いて良いんだからね?
そう言って彼女は受付に向かって行った。
優しい良い人だったな。
よし、これからも私は礼儀を忘れずに行動しよう。
ってかラノベじゃNPCこと住人に対して酷い態度を取ってばかりいると、大変な事になるんじゃなかったっけ?ポーション売ってもらえなくなるとか。
少し考えて行動しろよな。まったく。
登録受付は丁度誰も居なかった。
窓口に行くと、エルフかな?耳の尖った金髪の女性が受付をしていた。
「あの、冒険者登録をお願いしたいのですが?」
「はい、かしこまりました」
ニコリともせず無表情に彼女は言った。
皆さん気付いていました?
フレンドリストには既に1人って書いてあったんですよ。メールも。
まあ、意味深な感じにしたのにシュナの信用度が低すぎてスルーするという結果に。
主人公は今までに何かあったんですかね?
いや、あったんですけどね?
そんな事より、ギルドに来ましたよ。
分かりますかね?あの役所的な感じ。
主人公的には駄女神の祝福する世界の方がイメージに近かったんですけどね。
なんかあると皆で騒いで呑んでしてる感じ。
さて、ガンバって連続投稿アンド2話目の投稿をした訳ですが明日は無理かもしれん。
ガンバって書き上げようとは思ってるんだけどね。
時間が取れないのですよ。
だけど見捨てないで、これからもよろしくお願いします。