プロローグ
西暦2XXX年。
1人の天才科学者がVR機器を作り出した。
その技術は一体どこから来たものなのか、と他の科学者が頭を抱える程、非常に高度なものであった。 その為、人類の新たな歴史となり技術革新の幕開けとなる筈だった。
しかし、「それはVRMMOを実際のものとする為だけに作った技術だから」と言い天才は姿を消した。
あらゆる手段を使ってかの者を捜したが、見つからないどころかその足取りすら発見出来なかった。 何故ならその人物が居たことは間違いないが、その姿を見た者が居なかった為だ。否、見た筈であるのに記録も記憶もなくなっていたのである。
それに、作られたVR機器も使われた技術があまりにも今の文明からかけ離れた代物だった為技術を盗むどころか解体も出来ず、何一つとして得るものが無いという現状に至っていた。
作った者も作られた物も謎が余りにも多過ぎた為に危険と判断され、この技術を世に出さない事が決定された。
ーーーー筈だった。
ピロリン。
《メールを受信しました》
『宛先:***様
貴方は、異世界に興味はありませんか?
こちらでは出来ない事をゲームとして体験してみませんか?
興味を持っているのならスマホに向かって
「異世界に行く方法が知りたい」
と言って下さい。
お教えします。
私の質問に答えてくれるなら貴方にVR機器を差し上げます。
ただし、転売や他の人にVR機器の存在がバレたら没収します。
貴方は異世界に行きますか?行きませんか?
自称天才科学者より』
ーー最近、謎のメールを受信すると言う都市伝説がある。
そのメールに書かれた事をするとVR機器を手に入れてVRMMOが出来るとかなんとか。
迷惑メールフィルターにブロックされない怪しげなメールを信じる者などいない。と大半の人は信じないが、一部では実際の事だと言う者もいるとか。






