大アルカナ:II.The High Priestess (ハイプリステス、女教皇)-3
彼女の纏う法衣はなだらかな天女の衣のようで、羽織るマントはまるで輝く光を纏っているかのようである。
このカードはオカルト界では「イシスの聖域の入り口」と呼ばれてきたが本当にその通りで、彼女は生命の樹の頂点、神域の入り口に立つ存在、人としての肉体が消滅した後に出会える楽園の聖母。
つまり、そこに見える姿は実在ではなく、反射光のような存在であるが、現世にいる我々にはそれが全て、彼女は間接的に光を差し伸べてくれる存在、シェキナー(Shekinah)【在るべき所】の象徴なのである。
カバラの考え方によると、このシェキナーは生命の樹の女性性を表す峻厳の柱の最上部であるビナー、そして生命の樹の根の部分、均衡の柱の下部、マルクトに存在するという。
ビナーは原初の混沌とした知識を理解し、正しく下方に流出させるもの、神の真理を下に伝える存在なのです。そして、マルクトに到達したそれは、世界に安定と祝福をもたらす。マルクトとは祝福された理想王国(世界)なのです。
こういったことから、このカードは、大アルカナ中で最も神聖で高位なものであるとも言えるでしょう。
生命の樹の図