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狼という名のうさぎ

作者: 澪

一匹狼という言葉をご存知だろうか。

狼は強い生き物で弱い生き物です。

一匹で行動することは基本ない。

グループで行動し獲物をとらえて生きていく。


しかし、そんな生き物が一匹で行動し一匹で獲物をとらえて生きていく狼がいる。

それを人間に例えたときに誰とも群れることなく誰にも媚びることなく自分の力だけで生きていく。その様を例えて一匹狼という。

よく、ヤンキーが1人で行動してるヤンキーを一匹狼という。

1人で行動して強く見える。そう外見だけは。

心は孤独で誰かと居たいと思う。しかし、誰かといると不安になってしまうのだ。

何故だか誰かといると胸が苦しくなってしまう。


それはきっと誰かと一緒にいられることの幸せを知っているからだと思う。

その幸せが失うことが何よりも怖く、なら最初から誰とも群れなく、媚びなく生きていくことを選んだのだ。


だが、本当は誰かと一緒にいたくてたまらないのだ。

現に私の友人に一匹狼だった人がいる。友人は誰とも群れることなく

いつも一人でいた。きっと強がってただけだと思う。


これを言うかは迷っていたが言うことにしよう。言わせてくれ。

友人の母親は友人を産んだ時に死んでいる。

普通なら産まれて母親がいないと寂しくて仕方ない。

ものごこころついたときから母親はいなく父、姉、兄に可愛がられてきただろうが愛をもらってきただろが

きっと寂しかったと思う。母からの愛を知らないということは何よりも大きい。


それでも一生懸命に生きている。本当にすごいと思う。

これが私ならすでに限界が来ていると思う。友人は今も懸命に生きている笑顔で。


父が厳しいとよく聞くがそれはきっと母の愛を知らない自分の息子のことが心配で仕方ないんだと思う。

もし私がその父なら同じことを思うからだ。

私から見て友人の父も辛いと思う自分の妻が死んでいないこと

自分の息子たちに母がいないこと母からの愛をもらえないことが辛いと思う。

それでも自分が息子たちに弱いところを見せてはいけないと思い。強がっているのだと思う。

そう一匹狼のように。


友人の父は息子が友達、彼女といるときはいつもニコニコしているように私は見える。

きっと嬉しいのだと思う。仲間ができ仲間がくれる愛をもらい楽しそうな顔を見ることが

何よりも幸せなんだと思う。友人もそれに気づき答えてあげるべきだと思う。

いや、きっと気づいて友人なりに答えているのかもしれない。


友人は昔は一匹狼だった。今は仲間に恵まれ彼女もいて幸せに暮らしている。

きっと一匹狼の頃より楽しいと思う。

人は一人では生きていけない、幸せにはなれない。心からは。



狼は一匹でも強く見える。強いかも知れない。

だが、心は寂しいと死んでしまう「うさぎ」と一緒なんだと思う。

うさぎは寂しいと死んでしまう生き物だ。


「狼は一匹だとうさぎと一緒なのだ」



END





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