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神殺しの英雄譚  作者: 漆原 黒野
第1章 旅立ち編
3/32

第2話 ステータス確認

 



 今秋人達は国王様に会うために露見の間に続く道を歩いている。

 そんな道を歩いているときに俺は先ほどの王女様と佐藤の会話を思い出していた。


 簡単にまとめるとこんな感じだ。


 1

 Q、自分たちは元の世界に帰れるか?

 A、今は無理だけど魔王を倒せば元の世界に返せる。


 2

 Q、自分達には魔王を倒すための力はあるのか?

 A、あります。


 3

 Q、これから自分たちはどこで暮らせばいいのか? また、食事はどうすればいいのか?

 A、それはこの国、エルスラーン王国が責任もって引き受ける。


 と、まぁこんな感じで簡単にまとめました。

 なぜかって? そんなの説明するのが面倒くさいからだよ。


(そんな事はいいとして「魔王を倒せば元の世界に帰れるって」いかにもありがちなやつだな。てか、魔王を倒したからと言って元の世界に帰れる保証がないし、あったとしてもなんで俺たちがやらなきゃいけないんだよ)


 とまぁ、そんな事を考えているわけです。正直胡散臭さすぎる。

 まぁ、それは俺のはやとちで、もしかしたら魔王を倒したら本当に元の世界に帰れる可能性があるかもしれないけど、まぁ俺には関係ないな。

 帰れるにしろ帰れないにしろ俺はこの世界で自由にやらしてもらうからな。

 そう思った秋人は口角を釣り上げ、これまた邪悪な笑みを浮かべるのであった。






 話は変わって、今この国の王様に頭を下げているところだ。


(なんで俺がこんな爺に頭下げなければいけないんだ)


 そんな事を思っているのは秋人だけではなく他の面々も少し嫌そうな顔をしている。

 そして、国王様が口を開いた。


「表を上げよ勇者たちよ」


 そして顔を上げて佐藤が口を開いた。


「国王様、我々はこうした場所には縁がなかったものですので無礼な態度をとってしまいますがご了承ください」

「よかろう」


(さっすがリア気。国王相手でも普通に話してやがる。とりあえずこの場は佐藤に任せたほうが良さそうだな)


 周りを見回してみれば秋人と同じようにここは佐藤に任せる感じになっている。


「勇者たちよ今この国は魔族によって危機にある。そのため勇者たちには魔族の王、魔王を倒してもらいたい。魔王を倒すために必要になるものはこちらで用意した。そのため勇者たちには不自由なく暮らせるようにする。どうかこの国を救ってくれ」


 まぁ、あれだね。なんていうかテンプレだね。

 勇者を召喚してその力を自分たちのものにしようとしている感じの、あるあるパターンですね。

 それにこの国”だけ”を救ってほしいわけだね。人類を救ってほしいのではなく、この国”を”救ってほしいって言ったもんな。

 え、細かいって? それはそうだろう仮にも一国の王だぞ、そんな感じの言い回しだってするだろ。例えば、他の国が落とされたときに勇者がなんか言ってきたら「この国を救ってくれと言っただろ。他の国なんか知らん」的な感じで言い訳ができるだろ。

 まぁ、そんな事言ったら勇者たちが反抗するだろうけどそんな事になる前に何とかするだろ。

 とまぁ、勝手にこの国のことを考えてみたわけです。

 とりあえず勇者召喚してる時点でこの国だめだしな。

 というわけでこの国救う価値なし。

 そもそも俺関係無いし。


 とまぁそんな事を考えていたらなんか話が進んでいた。え、デジャブそんな事はないよ、気のせいだよ。

 まぁ、そんなことは置いといてなんかステータスを見るみたいだな。

 ちなみにこの世界でのステータスを見るにはよくあるステータスカードや専用の水晶が必要みたいだ。

 あとはスキルの【鑑定】や【オープン】などのスキルで見れるみたいだ。

 今回は水晶に1人1人見て記録をとるみたいだ。そのため秋人達は3列に並んでいる(水晶が3つあるから)。

 お、まずはリア気からやるみたいだな。どんな感じのステータス何だろう? あいつの場合、ザ勇者って感じがするからな。



 名前 佐藤勇気 年齢 17 性別 男

 種族 人間

 職業 勇者

 レベル 1

 体力 150

 耐性 150

 筋力 150

 魔力 150

 魔耐 150

 敏捷 150

 運 80

 スキル 言語理解 成長速度促進 光魔法 身体能力上昇 指揮 話術

 固有スキル 神聖魔法 聖武召喚 全運楽 勇者力 周上

 加護 聖神


(おぉ! これはすごいな! さっすがリア気! 向こうのお偉いさん方も驚いているな)


「おぉ! これはすごい!」

「さすが我らの勇者だ!」

「レベル1でこれか! これは楽しみだ!」


 みなさんすごく驚いてるね。そしたらおずおずと佐藤が前に出て当然の疑問を聞いた。


「あの、これってそんなにすごいことなんですか」

「これは失礼した。一般的な大人のレベル1の人の平均は20~30なのですよ。稀に50~80ぐらいの人はいるのですがさすがにここまでの人はいないですな。それに固有スキルが5つもあるなんてすごいことなんですよ。それに普通は加護なんてありませんから、あること自体がすごいのですよ。さすがは勇者様ですな」


 さてさてそんな話は置いといて次はとあぁ、柏崎武みたいだなあいつはどんな感じなんだろう。



 名前 柏崎武 年齢 17 性別 男

 種族 人間

 職業 重戦士

 レベル1

 体力 200

 耐性 150

 筋力 200

 魔力 20

 魔耐 130

 敏捷 70

 運 40

 スキル 言語理解 成長速度促進 剣術 体術 剛撃 身体能力上昇 精神統一

 固有スキル 装備軽減 必殺一撃 暴激神

 加護 戦神


 なるほどこっちもすごいな。まぁ、いちいちコメント言うのもめんどくさいからサクッと行きましょう。

 まぁ、今回はリア充メンバーの奴らだけを紹介するぜ。なぜかってクラス全員紹介するのが面倒くさいからだよ。

 さてと次は木下と源みたいだな。



 名前 木下咲耶 年齢 16 性別 女

 種族 人間

 職業 魔法使い

 レベル 1

 体力 70

 耐性 60

 筋力 50

 魔力 350

 魔耐 120

 敏捷 60

 運 33

 スキル 言語理解 成長速度促進 水魔法 風魔法 回復魔法 魔力軽減

 固有スキル 絶対標的 力限界魔上 付属魔導

 加護 魔神



 名前 源雫 年齢 16 性別 女

 種族 人間

 職業 魔法剣士

 レベル 1

 体力 200

 耐性 110

 筋力 120

 魔力 200

 魔耐 130

 敏捷 300

 運 38

 スキル 言語理解 成長速度促進 刀術 剣術 疾走 精神統一 氷魔法 水魔法 身体能力上昇

 固有スキル 自己強化 氷結剣 限界突破 静止世界

 加護 氷神 敏神


(おぉ、さすがリア充メンバーすごいね。その証拠に記録をとっている人がさっきからうるさい。少しは黙れ)


「おぉ! さすが我らの勇者の仲間たちですな!」

「全くですな! これでこの国は救われますな!」

「源様は加護が2つもお持ちですか!」


 さっきからこんな感じです。

 もうほんっとうにうざいです。

 あ、ちなみに年が16と17がいるのは誕生日が来てるか来ていないかの違いだから。


 さてと次々と自分達のステータスを確認していってついに俺の番になりました。さてさて確認する前に少しやっとかないといけないことがあるんだよね。よし出来た。さてみんなどんな顔するかな楽しみだ。

 そして俺は水晶に手をかざした。



 名前 桐ケ谷秋人 年齢 17 性別 男

 種族 人間

 職業

 レベル 1

 体力 25

 耐性 20

 筋力 20

 魔力 25

 魔耐 25

 敏捷 20

 運 50

 スキル 言語理解

 固有スキル

 加護


(これが俺のステータスだ。どうだ驚いたろ。その証拠に記録をとっていた人が固まっているぜ。)


 ちなみに職業がないのは別に悪いことじゃないから。逆に今の時点で持っている方がおかしいから俺以外にも何人かは職業なかったから。


「……」

「これは……」


(なんか言ってほしい。さすがに居心地が悪くなってきぜ)


「ぷ、ハハハーーー」

「なんだこれ(笑)」

「ステータス低」

「みんな笑わないでやれよぷ、」

「お前こそ笑ってんじょねえかよ」


 とまぁ、こんな感じに馬鹿にされてるわけです。

 馬鹿にされている張本人は……


(そうそうこんな感じの反応を待っていたわけですよ)


 とまぁ呑気なことを考えてるわけです。


(まぁ、さすがに平気な顔しているとなんか怪しまれるからな。ここは恥ずかしそうに顔を真っ赤にしとくか)


「あいつ見ろよ。顔を真っ赤にしてるぜ」

「本当だ。ぷぷ、こんな公衆の前で恥をかいたんだ。顔ぐらい赤くなるだろうよ」


(思った通りに食いついてきやがった。これでいろいろやりやすくなったぜ)


 秋人は後のことを考えて口角を上げるのだった。




 そんな秋人のことを見ている人物がいるとは秋人は知らずにいた。



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 ここはさっきまで勇者たちがいた広間だ。

 そこに怪しげな影が6つほどあった。


「国王様あのものをどうしますか?」

「あんなステータスが低いものをここに置いていても意味がありませんぞ」

「そうだな一般の大人よりも低いのでは使えまい。せっかく勇者召喚で呼だのに……」

「では、適当に理由をつけて奴をここから追い出しますか?」

「ああ、そうしてくれ。他の者にはかんずかれぬようにな」

「わかりました。そのようにいたします」


 そうして彼らはこの場所から1人1人いなくなって、最後に残った国王はこれからのことを考えて口角を上げるのだった。



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