表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神殺しの英雄譚  作者: 漆原 黒野
第1章 旅立ち編
2/32

第1話 勇者召喚で来たのに登場人物紹介になってしまった

 



 それは突然起きた。

 いつものように学校の授業が終わり、これまたいつもどうり帰る支度をしていた秋人(あきと)、その時眼を開けられないくらいの眩しい光が視界を埋め尽くした。


 突然光ったと思ったら、次に足場が無くなったような浮遊感に襲われ、だがそれも一瞬だったためあまり気にせずに眼を開けてみる。


 眼を開けてみたらまず最初に秋人の眼がとらえたのは白い空間だった。

 顔を少しずらし、部屋の中を見回す様に見たら柱のようなものが何本かあり、そのすぐ近くに小さな窓が所々あり上の方に顔を向けてみたら天上のようなものがあった。

 そのためここはどこかの建物の中だということがわかる。

 白い建物の中には所々傷があったり、汚れていたりしていたためここは使い古いされた建物みたいだ。

 そして秋人の周りには秋人と同じクラスの奴らが、秋人と同じように周りを見回していたり、友達どうしで喋っていた。

 しばらく回りを眺めていたら突然、凛とした艶のある若い女の人の声が聞こえた。


「ようこそ勇者様方」


 声のした方に視線を向けてみれば、そこにはファンタジー風の服を着た、いかにもお姫様といった感じの少女がいた。

 その顔はまだ大人の女性とはまだ言えないが、ざっと見た感じだと14歳~15歳といった感じだ。なのに整った顔をしており、身長もあまり高くない150センチぐらいだと思う。そして腰の丈までもある綺麗な金色の髪があった。服装は俺たちのような一般市民が着れそうにない高そうな生地を使ったドレスを着ていた。ドレスは少し濃い赤を基調として所々白い線が入ったワンピース型のドレスを着ていた。


 そして、そのお姫様を守るかように周りには、これまたファンタジー風の厳つい騎士といった感じの男達が5人いた。

 男達は鉄でできた鎧のようなものを着ていて、腰には本物の刃がついた剣が下がっている。


 そして、その奥の方にはこれまたファンタジー風の魔法使いといった感じで手には杖の様なものが握られ、顔を覆いかぶす程のローブを着込んだ人達がいた。見た感じ8人いるようだった。


(いかにもファンタジーって感じだな)


 そんなことを俺が考えていたら、またお嬢様が口を開いた。


「勇者様方お聞きください。わたくしはエルスラーン王国第3王女ミネルバ・オークス・エルスラと申します。勇者様方には魔王を倒していただいたく思い召喚したしだいでございます」


 その声を聴いた瞬間、この場にいるものがざわめきだした。


「魔王を倒すって、なんで俺たちがそんな事しなくちゃいけないんだ!」

「そうよ、なんで私たちがそんな事しなくちゃいけないのよ!」

「早く家に帰らしてよ!」

「そうだ。早く家に帰らせろ!」

「すごい美人。結婚したい」

「魔王っていかにもファンタジーってかんじだな」

「そうだな。そして俺たちが勇者か、良いなそれ」

「だな。こいうのにはすごい力とかあるんだろうな」

「おい、お前たちそんな事言っていいのかよ。家に帰れないんだぞ!」

「別にいいんじゃない。こっちの方が面白そうだし」

「なんだと!」


 とまぁ、そんな事をそこら中で騒いでいるわけだ。

 正直うるさい。てか、途中で変なのがまじっていなか? まぁ、いいか。

 とそんな事を思っている秋人だが、秋人も秋人で結構ワクワクしていたりする。

 なにしろこの桐ケ谷(きりがや)秋人という男はアニメやゲーム、漫画、ラノベなどが好きで、いろいろなジャンルのものを見たり、読んだりしている。

 それこそ残酷なものや怖いもの、エロい物まで手を出していたりする。そんな秋人はもちろん異世界召喚物も読んでいる。

 そして、これからどうするかを考えていた。


(正直魔王とかどうでもいいんだよな。まぁ、面白そうだから少し興味はあるんだがな)


 と、思っていたら突然大きな声が聞こえた。


「みんな、一旦落ち着こう!騒いでも何にもならないからさ」


(あいつは確か、リア気だ)


 声を出したやつの名前は佐藤勇気(さとうゆうき)

 なぜ秋人が佐藤勇気をリア気と呼んだかには理由がある。

 それは佐藤勇気の見た目と性格に関係あるのだ。

 佐藤の顔は実に整っており、10人中10人がイケメンと言うほどの顔を持っており、さらには身長も183センチと少し高めでスタイルもよく、髪の毛は少し癖のある髪であって、そんなイケメン顔と癖のある髪がすごくマッチしている。そのためすごくモテるのだ。それはもう週に1回は告られるくらいにはモテる。

 そして性格はこれまた紳士で、困っている人を見たらすぐに助けてやり、優しく丁寧に接しているので、そこで落ちるやつが山ほどいるのだ。そして紳士だからといってノリが悪いわけではなく、身近な奴には気楽に接しているため、そのギャップの違いでこれまた多くの女性が落ちるのだ。

 さらに佐藤は告られたものはすべて断っている。

 なぜ断ったかには理由があり、それは単純に佐藤には好きな相手がいるのだ。

 だがそれでも佐藤に告るやつは後を絶たないらしい。

 そのため秋人は佐藤のことをリア気と呼んでいるのだ。

 自分で言うのはあれだが良いネーミングセンスだと思う。


(リア充が死ね)


 そんな佐藤に嫉妬している奴は意外と少なかったりする。それは佐藤自身がいろいろな奴とコミュニケーションを取り話してるうちに心を許してしまうためだ。

 そんな佐藤と秋人はたまに話していたりするが秋人はどうしても佐藤の事を好きになれないのだ。


(あんな奴のどこがいいんだか)


 そんな事を思っていたりする。

 そして佐藤が好きな相手は佐藤といつもいるメンバーの1一人、木下咲耶(きのしたさくや)という女性だ。


 その木下咲耶の見た目は少し大人びた様な顔立ちをした少しやんちゃな感じの女性で、髪の毛は肩より少し長めでいつもは後ろの少し上らへんで結んだ、いわゆるポニーテイルという髪形をしている。

 こちらもまたすごく美人で性格もおしとやかでおとなしいが友達と話しているときはとても活発でその純粋な笑顔がとても綺麗だ。

 その笑顔を見た男どもはそのまま恋に落ちたりする。

 そんな木下だがいわゆる天然というもので、たまにこけそうになったり変な話をしている男達の話に交わりに行ったりする(話しかけられた男子かわいそう)。

 そのためこの木下咲耶はモテるのだ。

 その木下本人は周りからの好意の視線には気付いてなかったりする。だから佐藤の意味ありげな視線にも気付いてない(ざまっ! 笑)。

 そんな木下だが実は好きな相手がいるらしい。らしいというのは誰も木下の好きな相手を知らないためだ。

 それでも好きな人がいるとわかったのは本人がそう広言したためだ。

 木下が好きな相手がいるって言った時の佐藤の顔は笑いが止まらないぐらいに面白かったぜ。周りの奴らも少しがっかりしていた奴らもいれば佐藤の顔を見て笑っていたやつらもいた。

 そん時の俺はもちろん、そんな佐藤の顔を見て腹を抑えながら笑っていたぜ!


 そしてそんな佐藤グループにはあと二人のメンバーがいる。

 一人は源雫(みなもとしずく)という女子だ。源は源流剣術の道場の一人娘であり5歳の頃から厳しい鍛錬を受け、挫けずに10年以上も続けてきたのだ。そのため剣術の腕は相当なものだ。どれくらいすごいかと言われれば全国の剣道大会で優勝するぐらいにはすごい。

 そんな源の容姿だが、顔はそれなりに整っていて目が丸くてすごくかわいいのだ。髪は肩につかないくらいの長さで、いわゆるショートボブというやつだ。そして身体つきは決して筋肉質というわけではなく、きやしやかな腕でその肌はすごくすべすべで柔らかそうな肌をしている。

 性格は真面目で少し頑固な感じだが優しいのだ。そんな源はいつも佐藤が一人で突っ走るときのストッパー役なんかをやっていたり、話しが途切れないようにつないでいたりする。そんな気使いが出来る女性なわけでモテるのは当然だと思う。

 源は木下みたいに純粋ではないので周りの視線には気付いていたりする。

 そのため佐藤グループの最後の一人の好意の視線には気付いていたりする。


 最後の一人は柏崎武(かしわざきたける)という男子だ。

 柏崎はザ運動部系といった感じの運動部系男子だ。身体は筋肉質で体格もいいのだが決してマッチョといいうわけではない。

 そして顔立ちはこれまた運動部系といった顔である。

 さらには性格もこれまた運動部系といった性格なのだ。

 ここまで来たら運動系バカと言っていいだろう。

 そしてこの柏崎は源道場の生徒であり、そのため源と柏崎は小学校からの知り合いでとても仲がいい。

 そして源と柏崎は小学校から一緒に剣道をやってきたため因縁のライバルに成るのは必然と言ってもいい。

 そして源と柏崎は小学校からの知り合いなためいつも二人で試合をやっている。

 だが柏崎は一度も源に勝ったことはないらしい(なんでかは知らない)。

 そのため長い間ライバルと思い接してきたがそれでも柏崎だって男なのだ。

 思春期な男が異性に興味を持つのは当たり前で、それが突然恋に落ちたりもするだろう。そのため柏崎は源に好意を持っている。

 そして、その源は特に何かをするわけでもなく、普通に柏崎と接しているのだ。

 そして柏崎はいつも佐藤グループのムードメイカーだ。

 柏崎が話を振り、それに佐藤がのっかたりして、木下がそれにうなずいたりして疑問に思ったことを言って、源がそんな木下の疑問に答えるといった感じのことをいつもやっているのだ。

 この4人はとても仲が良い、そのため佐藤グループはリア充と言っていいだろう。


 そんなリア充グループのことを考えていたら、なんかお姫様と佐藤が話に一区切りがついてたみたいで、なんかこれから国王様に会うみたいな感じになっていた。


「それでは勇者様方こちらへどうぞ」


 そんなことでお姫様の後をついていくことになったのだ。



題名通り勇者召喚で来た事を書こうと思っていたら登場人物紹介になってしまいました。すいません。

次回から本格的に本篇を書こうと思っていますのでよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ