表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
98/210

98

「王様だ―れっす!」

 頼む。僕の話を聞いてくれ。

 というか、明らかに横暴だ。

 渡された割りばしは王にすでに知れ渡っているだろう。

「……って、王様は僕なのか」

「何にするつもりだ?」

 小夜はちらちらと僕に番号を見せてくる。

 何をしてもらいたいのかはわからないが、エスカレートする性質を知っているので僕は優しいのにした。

「えっと、三番が二番の頭を撫でる」

 小夜は少し不満げに僕から離れると羽衣の頭を撫でた。

 健康元気少女である羽衣はそれを目を細めて受け入れていた。

「その気なら……」

 小夜が不吉なことを言いながら僕から離れたところに座る。

 現在僕らはテーブルを背にし左に羽衣、右にちいろ。そして対面に小夜となっている。

「では次っすね」

 羽衣が集め、羽衣から割りばしを引く。

 さすがに連続してはならないので僕は押し黙る。

「んあ、引いちまったか」

 どうやらちいろが引いたらしい。

「じゃあ、一番が二番の髪型を変えろ」

 僕が小夜の髪型を変えることになった。

「んふふ」

 嬉しそうな小夜。これで矛先が僕に向かなきゃ良いんだが。

 それにしても四人だと高確率で回ってくるな。

「でも僕はそんな髪型を知らないんだけど」

「んじゃあ教えるから三つ編みにするぞ」

 そういって、手際良くして見せる。当然、速過ぎてよくわからない。

「えっと……」

「あはっ」

 かくんと小夜の頭が後ろに倒れる。そんなに強く引っ張ったつもりはない。

「そうそう、こうして三つにしてからこっちは固定してもう片方の端で残ったやつを交互に編みこんでいけば出来上がりだ」

 雑な説明をありがとう。中々太くなってしまった。ちいろのお手本と比べるとかなりの不器用さを発揮している。

 鏡を見られるまでに解かなければ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ