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 別に太っても良いけれども、なんとなく体型を維持しようと思う。

 僕は皆よりも先に手を合わせた。早めに席を立って、お風呂にでも入ろうかと考えていると横に座っている都和が笑っていた。

「ふふふ」

「なんで笑っているの?」

「手を合わせるのはまだ早いぞ」

「なにかあるんだっけ?」

「早く帰って来いってメール見なかったのか?」

 そういえばケーキを買ったから早く帰れって言われてたっけ。すっかり忘れていたし、晩御飯には遅れてしまったが。

「羽衣、持ってきてくれるか?」

「あいあいっす!」

 羽衣が食堂からいなくなったのを見送りながら、視線を戻す際にちらりと僕は千華を見る。

 少し体調が悪そうな顔色をしているが、いつもと変わりないように見える。

 約束は反故にされないとは思うが、あとで話をしなければ。

「はい、お待たせっす!」

 ケーキはでかかった。

 生クリームたっぷりのチョコケーキで、デコレーションはシンプルに苺だけだが乗っているチョコレートの板に僕の名前が付いていた。

 大分恥ずかしい。

「周への想いを八号のケーキにしてみました」

「……ありがとう」

 八号って、一号が大体三センチだから直径二十四センチじゃないか。

「本当はウェディングケーキみたいなのが良かったんだが、事前予約が思いついたのが昼だからこれぐらいしか頼めなかったんだ。愛が小さくてごめんな?」

「これ以上重くしないでよ……?」

 ケーキは好きだが、さすがにこれは八等分してもお腹にもたれそうな気がした。

 ケーキを目の前に考えていると。

「はい、どうぞ」

 なぜか楔が僕に包丁を渡してきた。僕に切れと言うのか。

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