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 現状の報告をしたいが、今は込み合った話をするべきではないだろう。

「小夜といちゃいちゃしていたのか?」

「いちゃいちゃって……」

 僕の方にはやましい気持ちは欠片もない。仮の話だが僕が男性のままでも小夜には反応しない気がする。

「ご飯、食べに行こうぜ?」

「もうそんな時間?」

 携帯電話で時刻を確認しようとして、放り投げてそのままなことに気付く。結構遠慮なく投げたから画面が壊れているかもしれない。

「ちょっと、都和。外までついて来て」

「二人きりになりたいのか?」

 にんまり笑う。からかうなと言いたい。

「そんなんじゃないって。小夜も来る?」

「私はもう少しこのままで……」

 うつ伏せになって足をゆっくりとばたつかせていた。

 僕の残り香を堪能しているのか。別に良いけれども。

 都和と玄関へ出る。

 外灯が少ないためか、外は不気味なほどに暗く感じた。

 ただ、星と月は山中さんちゅうにいるためか心なしかはっきり見える。

「暗いね」

 何気ない僕の一言に都和は笑みを浮かべつつ、前を指さした。

 前方方向には何もない。

 なんとなく草陰から虫が鳴いている気もするが、それは別に指をさしたところ限定ではないだろうが。

「よいしょ」

 僕が前に注視しているといつの間にか後ろに回り込まれ抱きつかれた。

「何するのさ」

「んー、浮気?」

 その返答は僕をようやく男と見たのか。

「別に小夜とは何にも無いのに」

 僕は軽口で返す。

 背中に感じる柔らかい温かさに僕は恥ずかしくなって離れようとするが、都和は僕を離してくれなかった。

「裏千華に話を聞いた」

「ん」

「ありがとうな」

 少し恥ずかしそうに素っ気なく言った。

「まだ、なんにも終わってないって」

 僕はそう軽く返した。

「それでもだ」

 僕は少しだけ。少しだけ都和に身体を預けた。

 この羞恥も悪くは無い。

「んふふー」

 悪くはな……くなくない。

「待った。お腹を触らないでくれる?」

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