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 ありがたいことに扉は姫城さんが開けてくれた。

 ただ、あと少しといったところで僕の身体は重くなった。

「ふふふ、みなおしちゃったにゃー」

「え……?」

 僕の背中に乗ったのは裏千華だった。

 数の概念はこんなところにも及ぶのか。

「あんまり動いて欲しくないって言うのにどーして動いちゃうかなー。あんまり不確定要素は作りたくないのに皆が周ちゃんに注目しているにゃあ」

「裏千華……」

「ちゃんちゃん」

 ちゃん付けの強要を僕は流す。

「裏千華ちゃんの邪魔はここまでにしておくからもう少し頑張っても良い感じじゃないっすかねー」

 鬼だ。悪魔だ。意地悪だ。

 だが、裏千華と話せるのなら負けても良いか。

「都和の身体から出てってくれない?」

 僕は真正面から立ち向かった。

 出される条件を片っ端らからやっつけようとした。

「良いよ」

 だが、軽く許可されて肩すかしを受ける。

「良いの……?」

「んー、他の人より都和ちゃんは入りやすいから重用しているけれども昨日みたいに断られると千華ちゃんが大分やられちゃうから全然良いのら―!」

 耳元で大声出して。

「ところで良いのかの?」

「え、なにが?」

「あと二分ないのじゃが」

 姫城さんの指摘に僕は慌てる。

 負けても良いが、あとほんの少しなのだ。

「おっと、案外力ありますにゃー」

「いゃああ!?」

 べっとり僕の身体に重なるように乗られた。

 身体全体の重さが加わるのと、身体が触れあうことにより僕はパニックに陥っていた。

 忌避的なものはなくなっても、耐性がない僕には少々きつい。

「なにをしているの」

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