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「んー、わからん」

 そういって都和は笑った。あまりにも清々しくて僕は呆れて思わず絶句してしまう。

 信じた革命家は俳優でした。むしろよくも僕はこの泥船でマグロ漁に行こうと思ったものだ。

 踵を帰して僕は歩く。帰り道はわからないにしてもここよりはましだと確信した。

 転校初日にまさかの転校。代打の代打みたいな気軽さだが不利だと思うときこそ早い決断だ。

「待った待った」

 そういって都和は肩を掴んできた。僕はそれを乱暴に手で払う。いつもはそんなぞんざいに扱わないが慣れない環境というストレスにより僕を変えていた。

「周が冷たい……冬はとうに終わっているのにまだ起きないのか」

「僕は変温動物じゃないって」

「ふん、最近の若者はそういってすぐにやりだしたことを放り投げる!」

 骨のない。

「……無脊椎動物でもないって」

「んふふふふ」

 手ごたえを感じられていた。

「あんまりつっこみ期待しないでよ。僕は弱つっこみなんだから」

「弱つっこみなんて初めて聞いたぞ」

「それはどーでも良いの。大切なのは僕が戻れるかどうかです」

 事象の反転。

 都和が身に付けている極めてきまぐれな能力。

 簡単に言えば数学の逆・裏・対偶といった事象の変化だ。気まぐれといったのは例えば兄の反対が弟だけでなく姉であったりするためである。

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