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 それにしてもだ。美味しいけれどもだ。

「んぷっ……」

「どうしました?」

 三つまでは頑張ったがやはり五つは多く残してしまった。

「包みましょうか?」

 僕が口を押さえ、サンドイッチの処遇を考えていると楔はありがたい提案をしてくれた。

「うん、お願い」

 包まれたのは今日帰って来てから食べよう。

「別に全部食べなくてもよろしいのに」

 千華はそういうけれども、自称律儀な性格の僕はついつい応えてしまう。そのため堪えるようなことになってもだ。

「残ったのは食べますって小夜は話されてましたのに」

「うっ……」

 千華、お願い、それは早く言ってくれるかな。

 限界とは言わないがお腹が膨れて重い。いつもはこんなに食べないのに。

「どうしました?」

 ふと僕は千華の皿を見る。僕が来ていたときから食べているのに、皿の上には生クリームが沢山付けられたパンが二枚見えた。

「良く食べるんですね」

「ええ、健康は食事からとなりますので」

 燃費が悪いのだろうか。

 僕の持論では食事をしっかりと食べる人は元気なはずなのだが。どうしてこんなに気弱で病弱に見えるのだろうか。

 呪いが体調に来ているとかか。

 よくわからない。

 お腹が落ち着くまで僕が座っていると、羽衣と楔は片付けに入った。

 学校に行くには良い時間になってきたし、そろそろ用意しようと思っていると小夜が食堂に入ってきた。

「……んー、おはようございます」

「おはよう」

 目を擦りながら僕の方に早足でやってきた。

 制服に着替えているものの、寝癖は付いているし、スカートの極一部が捲りあがっている。

 そんなことも知らず、嬉しそうにやってくる彼女はところ構わず抱きついてきた。

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