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その後、歓談する。
話しはさすが生徒会長だと思えたので威厳を一ポイント上げて終了。
「最後にじゃが、あまり本人の前で言いたくないのじゃが」
「んあ、愛の告白?」
「違うわ! 七海よ、天霧はトラブルメーカーじゃから何かあったらすぐに相談して欲しい。重度に困っていればすぐに部屋を変えることも出来るからの?」
「えへへ」
なぜそこで照れ笑う。
「ええ、彼女とは短い付き合いですが重々と承知しております。何かあればこちらこそよろしくお願いします」
まるで小学生の三者面談のようになっていた。
「悪い奴ではないのじゃが……悪い奴では……」
上に立つ人は中々苦労が大きそうだ。
忙しそうな生徒会長に見送られ、僕らは部屋を出る。
外から入る陽が赤く廊下を照らしていた。
そんなに長くいなかったはずだが、長引いてしまったようだ。
都和に部屋に連れて行ってもらうように頼む。
「しかしだな。周の性格って変わっているよな」
都和程ではないと思う。
「どういうこと?」
「物事に動じないとことか」
「羞恥はとっくの昔に粗大ゴミへ行っちゃってまだ変わりがないからね」
「およよ、お姉さんが新しいものを買ってきてあげよう」
手をわきわきさせる。なんだか手つきがいやらしい。
「その手で触れたら舌噛み切って殺してあげるんだからね」
「初めては優しくして!?」
リアクションが良かった。
都和が先に歩きだし、僕はそれについていく。馬鹿みたいに広い校舎だが勿論ここに寮はない。