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そういって、僕をゆっくりとベッドに押し倒してきた。
あまりに正々堂々とし過ぎなことと、状況に押し流されやすい性格のためか意図も簡単に僕は組み敷かれる。
「お仕置きです」
「無理強いしないんじゃなかったの?」
「……僕の手を払えば止めますよ。勿論、脅しにはしたくないのでここでどういう結果であれ情報はこれからもあげます」
そういって、僕の腕から肩をゆっくり撫で始めた。この時点ですでに小夜の顔が赤いので僕は抵抗をしない。
服の中に手を入れられたらさすがに僕も抵抗するが機嫌取りを考えて僕は動かなかった。
そう、小夜相手には全く危機感がなかったのだ。
「お腹……触っても良いです?」
口元を袖で隠しながら恥ずかしそうに尋ねてきた。
これは傍から見るとどちらが優位なのだろうか。
僕が目で答えると、小夜は優しく触れにきた。
あまりにソフトな触り方のためにくすぐったく、身体をよじらせてしまう。
「あぅー」
その反応を見てパッと指を離した。しかし、僕が何も言わないでいるとまたもゆっくりと下腹まで堪能されたのだった。
しかし触り方がずっとおどろおどろしかったのが気にかかる。僕は危険物ではないのだが。
「お仕舞いにしようか」
「ぎゅって……」
僕は華奢な小夜を抱きしめる。
小さくても柔らかく、良い匂いがした。
「女の子だね」
「どんな感想ですか……」
「良い匂いだもの」
「えへへー……って、んやぁあああ!?」
小夜は僕から急激に離れた。
さすがの僕もそんな反応をされると傷つくがどうやら僕の失言が原因ではなかったようだ。
「どうしたの?」
「わ、私あんなに動いて汗かいるのに……やぁ、何度も抱きついちゃってます……こんなはずじゃなかったのにこんなはずじゃなかったのに……」
小夜は慌てながらお風呂用意を始める。
横になった僕を置き去りにして。
腹筋を使い上体を起こし、僕は混乱している小夜が絶賛散らかし中の衣類をまとめる。
ふと拾い上げてしまった中に下着があってしまった。
案外派手だったこともあり。
「うん」
見なかったことにしておく。
「ひにゃあああああ!?」
しかし、見ているところを見られてしまった。