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「うむ、学期ごとに成績優秀者から順番に希望の部屋を聞き割り振っていっているのじゃ」
「それで僕の部屋ってどこになります?」
都和からこれを聞いたのはつい今朝の話だ。部屋は会長に聞かないとわからないらしい。ちなみに部屋割りを決めるのは先生方ではなく生徒会長である(生徒会ではなく、単体らしい。問題ありそうだが現在はないとのこと)。
「そのことじゃが今回は急なことであったし……」
苦そうに後の語を濁す生徒会長。
「いやいやながらじゃが、都和と同じ部屋に住んでもらうことにしてもらう」
都和がにやにや笑っている。なにかしたのだろうか。好都合と言えば好都合なので口を挟まない。
「今回は……天霧に頼むことになるのじゃが」
「お任せあれ伊織さま」
都和は良い性格していると思う。本当に。僕だってこうして都和の口先三寸に騙されて来たようなものだ。それでも、性別を元に戻したいからここにいる。
「……」
「周?」
「いや、なんでもない」
そういって、僕は都和が用意したお茶を一口飲んだ。
「……麦茶なの?」
「いや、だって伊織はコーヒーも紅茶も飲めないから」
「何をいっとる飲めるわ」
軽口を叩くもなんとも言えない表情で視線はこちらに向けずコップに注視される。どうやらお子様舌らしい。
当初感じた威厳はどこにいったのやら。