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 僕の疑問は呆気なく断ち切られた。

「わかんない」

 大事なことなんだけど。

 男に戻れたら即帰宅しようと考えているが、中々上手くいかない。

「どういうこと?」

「だから、能力持っていても使えないしコントロール出来ないんだって。自動車のガソリンが違うようなものだって千華は言っていたけれど詳しいことはわかんないし、出来ない方が良いってさ」

 根源が違うというのなら、願いの方向性で変わるのだろうか?

「じゃあ誰が僕を戻すのさ?」

「それはCMのあとで」

「……スキップします」

「続きはWEBで」

「それなら検索します」

「良かろう。この先は君の目で確かめてくれ」

 不親切だった。

 都和は金銭面に関しては惜しみないし、気さくで話しやすいがどこかずれている。僕もだけど。

「正直な話、私の反転がそんな長引かないってことも考えられるぞ」

 それならそれで良いのだが。

「でも、永遠ってことも考えられるよね」

 都和はにこりと笑う。

「無責任だよ」

「責任は取るさ。周のお腹の子はちゃんと認知した」

「結婚する気なの……?」

 というか僕が産むのか。

「幸せな家庭を作ろう。指輪は給料三カ月分で良い?」

「ちょっと悪乗りが長いって」

 というかいつの時代の人だ。

 僕がいさめると都和はしゅんとした表情をした。

「あくまでビジネスライクな同盟でしょ?」

「ここで一転して私が敵になる展開とかは?」

 ないよ。

 ないよね?

 これ以上、話しても有効な手掛かりは聞けないと思った僕は脱衣所をあとにするべく、扉に手をかけた。

「あ」

 そのとき都和は短く言葉を発した。

「なにさ」

 そう聞いた瞬間に僕は都和に押し倒されてしまった。

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