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「ところで嫌いな食べ物はなかったか。アレルギーなんてありゃ洒落になんねーし」

「アレルギーはないけど、貝類が少し苦手です」

「あー。他は?」

 僕は首を横に振る。すると僕の答えにメモまで書き出す始末と配慮は行き過ぎていた。この外見と内面のギャップでもてているんだろうなと確信してしまう。

 ちいろがメモも書き終わったすぐあとに部屋の扉が開いた。次に部屋に入ってきたのは小夜だった。

 僕を見るなり無垢な笑みを見せるが、周囲の人に怯み制服の袖で顔の半分を隠してしまう。

「小夜」

 声をかけると口元を隠しながら最短距離で僕の正面にやってきた。瞳は混乱しているように見える。

「一緒に食べる?」

「……っ!」

 こくこくと力強く頷く。

 これで僕の前の席が埋まることへ。これは全く知らない人より、協力者になってくれそうな人の方が仲が深まるし精神衛生上好ましいという下心からだが、そんなに嬉しそうな目をされると僕の方が怯んでしまう。

「そろそろ取り分けて行くが、どのぐらい食べられるんだ?」

 ちいろの問いに僕は少なめと答える。

「胃袋小さいのか?」

「色々と食べたいので」

「ん」

 それを聞いて、楔が置いた八人の皿に料理を盛り付け始めた。手際が良いところを見ると料理の腕前もその通りなのだろうと確信する。そして取り分け方に違いがあって驚く。例えば、僕の皿は貝類がほとんどなかったり、都和であれば皿に野菜が多かったり、小夜は肉が多かったりする。嗜好、栄養、体型を見てだろうか。

「ところで、どこで小夜とあったんだ?」

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