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 このまま安らかに眠っていたいが、眠ったら起きられないのは人生の経験上わかっている。ここで頑張って起きなくては栄養は摂れない。体調を崩しては現在の状態では致命傷だ。

 というか、起きないと怪しげに手を動かし始めた都和にやられてしまう。

「ちっ」

「声で言わないでよ」

 気だるい身体を無理やり動かす。

「周って隙が少ないよな」

「危機管理能力が高いと言いなさい」

 臆病とも言う。こんな性格だが僕は素早さは上がらない。

 残念そうな都和に連れられ、食堂へ。位置関係としては玄関から入って右の奥部屋だ。

 中はカーテンもテーブルクロスも柱時計も小物に至るまで白色を中心にまとめられており、清潔感を感じた。白色は汚れが目立つのに食堂で統一するなんて挑戦的だと思う。長テーブルは八人以上かけても余るくらいだが、椅子は人数分しか用意されていないようだ。

 どうやら部屋の中はまだ楔以外誰もいないようだ。

「あら、お呼びしようと思いましたのに」

 楔はまた柔らかな笑みで僕を迎えてくれる。きっと表情通り歓迎していると思われる。

「ああ、もう並べてくれてたのか」

 テーブルにはところ狭しと大皿料理が並べられていた。

 どうやら細かくわけるのは嫌いらしい。

 テーブル上のメニューは、魚介系で統一されていた。統一されているといっても千差万別でまとまりはない。単純に味が染みていそうな煮付けであったり、食欲を誘う中華風に炒めてたり、フランス料理のように上品なマリネであったり、イタリア料理風に沢山の野菜と共に煮てあったり、ベトナム料理みたく小さな春巻きにエビが入っていたりと良く言えば豊富で、悪く言えば雑多だった。別に魚は嫌いではないが、貝類がノーグッドなので必然的に食べられる料理が決まってしまうのが残念だ。

 都和が勝手に椅子に座るので、僕もそれに倣い横に座った。

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