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 現在放課後になっても、僕が廊下を歩いているだけで視線をいくつか感じてしまう(いつもなら否定したいが性別を疑う目ではないだろう)。

 天霧都和あまきりとわは、「お嬢様学校だから皆可愛いし、世間知らずだから疑うことも知らないからすぐ受け入れてくれるさ」と言っていたが、真っ赤な嘘だった。嘘に色はないだろうけど。

 そうこう視線を掻い潜りながら廊下を進み目的地である生徒会室に到着。

 無駄に立派な扉が僕を威圧する。思わず萎縮し、視線を扉から外す。

「……っぁ!?」

 偶然女生徒と目が合ってしまった。視線を外されるどころか走って逃げられた。意外と早い逃げ足に傷つく思春期な僕。お嬢様学校は文武両道なことが窺い知れる。これ以上傷つく前に僕は意を決し生徒会室に逃げ込むように入った。

 中は教室半分程の広さが広がっており、まず目に付いたのは柔らかそうな豪奢なソファーが二つ。その間にクリアテーブルがあり、上には書類が数枚散見される。部屋の奥には校長室に置かれていそうな木製の黒目調のテーブルがあり、その先の回転椅子に座っているのが生徒会長だろう。

「ふむ、転校生か」

 釣り目であるがそこに怖いイメージはなく、声は高圧的でないのだが立ち振る舞いに威厳を感じた。それだけ、圧倒的存在感。髪は僕ほど長い長髪だが、毛先までストレートと揃っており手入れが行き届いていることがわかる。風体は年下なのだが、核が違うと悟る。

「七海よ。そこのソファーに座ってくれ。天霧よ、お茶を頼む」

 言われるがままにソファーに腰掛ける。これまた身体に程良く馴染むほど柔らかく、下手なベッドよりは疲れが取れそうだ。はてさて、幾らするのだろうか。


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