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 天想代力を使い、二人の後ろ姿でも再現しようかと考えていると千華に声を掛けられた。

「周様……あまり、学園内では天想代力を使わないでいただけますか? 学園には私達以外にも天想代力を使える子は多いので無用な争いになってしまいますよ?」

 手には先程小夜が持っていたお弁当箱を持っており、それを僕にゆっくりと手渡してくれた。

「ありが……とう? いや、小夜が連れて行かれたからさ」

「周様の後ろの席の子は便利屋なのでお気になさらず。お金で動かれている子です。周様を護衛していたのではないでしょうか。戦闘に優れていた子だったかと噂に聞いていますので」

「えっと……」

 実は護衛されていたらしい。

 それは天想代力によるものか、転校生に対するものか、それとも都和からなのか。なぜ、今になって動いたのか。

 少しだけ考えていると。

 千華のクラスメイトが教室から二人出てきた。

「ちーかー、お昼行こう?」

「そういうことなので周様。また、夕方にでも」

「はい、それでは」

 さすがに千華以外の上級生がいるのに一緒に食べるのも気まずいので自分のクラスに戻ることにした。考えても仕方ないし、あとで小夜に聞こうっと。

「おろ、殿。おかえりなさい! 席は不肖ながらわたくしめの尻があたためて置きました!」

 僕の席に座っていた星間雫ほしましずくが立ち上がり僕に向けて敬礼をしてきた。人懐っこい彼女はクラスのムードメイカーである。

「わりと地味な嫌がらせ……効果的よねっ」

「ちゃうわ!」

 そして茶々を入れてきたのは古川美冬こがわみふゆ

 僕はクラスでは二人とよく過ごしている。

 同級生だが都和もちいろも学園ではあんまり話さない。

 ちいろはファンクラブの影響もあるだろうが、都和の場合は僕にもよくわかっていない。学園内の友人が多いのだろうか。

 雫を僕の席に座らせ、僕はその前の席を借りて自分の席にお弁当を広げる。二人のお弁当に比べると僕のお弁当はやや大きめである。なんだかんだで小夜に胃袋を握られている気分だ。

 しかし、こうしてクラスメイトと食べるのはなんだかんだで初めてだ。

 学園に慣れる恐ろしさを感じつつ、歓談しながら食べているとふと雫が思い出したように言う。

「そういえばさ。隣のクラスの天霧が来てたよ?」

 都和が来てたっぽい。

 ちなみに僕とちいろは同じクラスで、都和と楔が同じクラスだったりする。

「……なにか言ってた?」

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