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伽羅は僕のベッドの上にペタンと女の子座りしてこちらを見ていた。
「……」
伽羅なのだがトイレであった伽羅とは違う。
髪の色は同じ白紫だが、成長度が違う。
胸の大きさも年相応で小さい。
だからこそ第一声は確認からしてしまった。
「伽羅だよね?」
「はい、伽羅ですよ。周にぃ」
混乱する僕。
都和の中にいる伽羅、トイレで見かけた伽羅、そして今目の前にいる伽羅。
誰を信じればいいのだろうか。
ちらりと僕は胸にいる小夜を見る。
小夜は勿論、伽羅を知らないのできょとんとした表情をしている。
「あは、やっぱりそういうことになっているんだ。でもまだ早いのに」
伽羅は呟いた後にゆっくりとこちらに近づいてきた。
そして小夜をまるで気にせずぎゅっと前から抱きしめられた。
小夜はぐぅと唸ったが、特に気にしていなかった。
「ふふふ、朝ごはん。一人分多めに作ってもらってきます」
そういって伽羅は部屋から出ていった。
「……」
まだ混乱していると小夜が僕の顔を覗いていた。
「あの子は何者ですか?」
「お腹違いの妹。というか、なんで僕の部屋にいたのさ」
「だって、周さんの部屋が見たかったんですもん……」
「だから忍び込んだの?」
「いえ、玖乃の省略はここでしたから」
家の前にいてもらったのじゃなかったのか。
小さい嘘を吐かれたものだ。思えば部屋にフィギュアを置かれていたのだからここに玖乃は入って来ているのだ。
少しだけ頭が痛い。
「だからってベッドで寝てなくても」
「周さんのお弁当作るために早起きしたから……その……出来ごころなんです!」
強く責められなくなった。
まあいい。
小夜のことは許し、現状の説明をする。
僕の妹がもしかすると僕の天想代力で、この一連の事件の元凶かもしれないことを。
「うーん」
「どうしたの小夜?」
「伽羅に天想代力を感じなかったのですが」