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「んー……無理強いするつもりはないです。ただ、周さん色に染められたかっただけですが嫌って言っている人にされても私が苦痛になってしまいます」

 僕の反応を見るや少しシュンとした表情を浮かべた。予想外に悪いテストを渡された子どものようだ。表情だけは子どもで焦る。

「失礼、お歳はいくつですか?」

「周さんの一つ上です。結婚はすでに出来ます」

 多く見積もっても高校生にはとても見えない。飛び級したって言われた方が真実味がある。だが、むしろこの場合は年上で助かると言えるか。

「……同性では出来ませんよ」

 僕はやんわりと回避してみる。

 やんわりと回避と言うものの逃げ方は全力疾走だ。

「今は法律的にしか出来ませんが、呪いが解ければ色々出来ますね」

 しかし、回り込まれた。

「あら、驚かないんです?」

 呪いについては楔に聞いていたがカモフラージュのために口元を手で隠し、真意を隠すように見せかけた。驚いたように見えればそれはそれで良い。

「感情の起伏が少ないので。それで、僕を脅します?」

「まさか。ライバルが増えてしまうくらいなら地獄まで持ち逃げします」

 笑顔は崩れない。

 どこで僕を盲目的に盲信しているのだろうか。

 大事なところは理性で一線を引いている気もする。

「私は周さんに協力したいです」

 ふと、利用出来る人なのかと考える。

 答えはすぐさま頭に浮かぶ。

 うん、僕にはとても扱えないだろう。

「……協力してもらうとして僕に何をさせるつもり?」

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