表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
186/210

186

 僕はそんな干渉を置いておいて、玖乃に助けを請う。

「玖乃、助けて!」

「んー」

「悩むの!?」

 悩む案件なのか。

「若者の行く末を見届けたい」

 しかも助けてくれないらしい。

 干渉はそれに対して不満ありそうではあったが、無視して僕を見る。

「集中しなさい」

 手を這わせてくる。

 首元をすり抜け胸元を通り下腹部へ。

「ふふ、柔らかい。それでも確かに腹筋はあるようね」

「退きなさい!」

 暴れる僕。

 微動だにしない。

 嫌な汗が垂れる。

 そんなことにはお構いなく手は下腹部からスカートの下に潜り込もうとしてくる。

「言ったでしょう。次はここだって。半端に手を出した貴方が悪いのよ。いえ、美味しそうな貴方が悪いのよ」

「……本気?」

「冗談だとでも?」

 僕はちらりと玖乃を見る。

「……っ!?」

 笑顔で手を振っていやがった。

 するとゆっくりと魔の手は僕の下半身へ。

「ちょっ、まっ……そんなとこ触らないで! 動くな!!」

 大声で騒ぐと干渉はなぜか僕の上から落ちた。

 それでもソファーの上から落ちるわずかな時間で受身は取っているようではあったが。

 いや、そんなことよりも逃げなければ。

 僕は口を使って手の拘束を外し、手を使い足の拘束を外した。

「何をした」

 睨まれた。

 すごまれても僕にはわからない。

 干渉は玖乃を見る。僕もつられて見るが首を横に振っていた。

「なんだしないのか」

 残念そうな玖乃。あとで刺してやると心の中で誓う。

 僕は直ぐ様態勢を整える。

 能力を出し惜しみすることなく服の乱れを正し、ナイフを構える。

「ん? そんなので戦うの?」

 場外から意外な声が飛ぶ。

「長いのにしろって?」

「再現性ってもっとえげつないのに」

 えげつない使い方とはなんだろうか。

「お話はそこまで」

 干渉は走り飛ぶ。

「ふー……っ!」

 息を吐き、僕は相手の攻撃に合わせる。

 干渉の手刀一閃。

 僕はそれをなんとか払う。

 受けきれない痛みはすぐに治す。

「無駄なあがきなのよ!」

 苛立っているのがわかる。

 こういうときは勝機なのだが勝てる気はあまりしない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ