表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
175/210

175

「ちょいっと、矯正するぞ?」

 ぐいっと抱きつかれると抵抗する暇もなく、肩の関節がこきりと音を立てた。

 勿論、痛くはない。

 次に首をひねられる。

 中々軽快な音であり、視界が明るくなるのがわかる。

「ねえ、これって素人がしたら危ないんじゃ……」

「親父から叩きこまれてるから失敗しねーよ」

 すごい自信だ。天想代力も関係しているのだろうか。

 この間を見計らって小夜は服を着始めた。

 僕と出るタイミングを合わすかのように。

「周はすごいな。普通はこんなことされると変に力が入るんだが、一切はいらねー」

「それは褒め言葉なの?」

「どうとでも受け取ればいいさ」

 こうしてマッサージを含めたリラクゼーションは終了した。

「よし、終了ー」

「ありがとう。ちいろにはなにか奢らないといけないね」

「ふん、期待しておいても良いぜ?」

 料理以外にも精通しているのも中々すごい話だ。将来は何になるつもりなんだろうか。

 終了と言ったところでちいろが服を脱ぎ出した。それを小夜は見ると僕の視線を遮るように前に出て、脱衣所を出ようと僕の手を引っ張る。

 廊下に出て小夜の最初の一声は。

「満足です」

 だった。

 僕は顔を合わせにくかったので顔を背ける。

 その後は何も会話はなかったが、手を繋いだまま部屋まで歩いた。

「おやすみ小夜」

「一緒に寝ても良いのに……」

 何も言わず、僕は部屋に戻った。

 都和はソファーで寝ていた。

 なぜベッドが近くなのに寝落ちしてしまったのだろうか。

「都和?」

 僕は軽く揺さぶり起こす。

「……」

 薄く開けられた目の色がオッドアイだった。

「あー、悪い……寝てたみたいだ」

 しかし人格まで変わってはいない様子で一安心する。

「ん」

「もう……」

 手を伸ばして来たので仕方なく、手を引っ張り上げて立つ介助をした。

「こんな時間に寝ると寝られなくなるよ?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ