表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
154/210

154

「それは光栄ですね」

「んふふふー。今日の俺様は違う。今回はちょっと細工をして数で攻める!」

 僕は口を手で塞いだ。

「んんんんん!!」

 これは割と有効な手なのかもしれない。

 あとは目とか塞ぐと強要のしようがないかもしれない。

 そう思うと裏方に徹されない限りは弱いのかもしれない。

 キミが慎重な性格でなくて良かったと心から思う。

「こっちは解決したわよーって、何してるの?」

 そんなことを思っていると家庭科室の扉が開いた。そうか、鍵は楔が持っているのか。

 どことなく蔑まれている。

 いや、この格好はいやらしいことでなく戦力的にかなり重要なのだが。説明は許されそうになかった。

「……三人いたのに勝ったの?」

 手を見ると三束程包帯が。

「恐らくは聴覚で判断していたようでしたので耳元で携帯電話にあった伊織の声を再生したところ隙が出来たのでその間にしました」

 なんというか用意が良い。

 確かに、基本的にキミの命令は声が多いからそうなのか。

「それで、周……なにしているんです?」

 呆れられた。

 いや、そうでなくて。

「わー、修羅場っすね……」

 さらに羽衣にまで見られた。

 ついていない。

 とりあえず、戦闘は終了。

 どことなくキミは不満そうな表情を浮かべていたけれども、「俺様は今回は反転に義理立てただけだからな。次こそモノにしてやる!」と不穏な捨て台詞を吐くのだった。

 それの意味することがどんなことなのか。また夜に何かあるのかと心配しつつも意識を失っている姫城さんと楔、羽衣と共に寮に帰るのだった。

 

 

「お帰りなさい」

 出迎えてくれたのは千華だった。

 ちなみに姫城さんは結局あのあとずっと今まで起きなかったので僕が担いで連れてくる羽目になった。

 楔は不機嫌であまり手伝ってくれそうになく、羽衣に持たせるわけにも行かないので休憩なく運んだ。軽いがさすがにこの距離はつらく、何度も天想代力で体力を回復したのは言うまでもない。

「周様、少し良いでしょうか?」

 帰宅して早々に千華が僕にそんなことを言ってくる。

 何のことかと思いつつ、一旦玄関に程近いソファーに姫城さんを寝かせてから僕は千華に連れられて部屋の方へ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ