表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
150/210

150

「僕が呼んだわけじゃないんだけど」

「では、誰ですか?」

「さ……」

 小夜と言いかけてやめる。

 小夜に矛先が言っても困る。

 昔はそんなことを気にしなかったのに。

「……少し」

「なに、楔?」

「周がいて仮面が取れかけてきたわ」

 右手で乱暴に髪をかきあげると楔は小さくため息を吐いた。

 きっと良い意味ではないのだろう。

「周も変わったわね」

「まあ、色々とあって……」

 過去からの使者が多すぎて。

「別に今の周は嫌いではないです。ただ、前の周も良かったのですが」

「キリリとしろと」

「貴方は前の自分をどう思っているの?」

 そんなことを言われてもだ。

「ところで楔は帰らなくていいの?」

「良いの。小夜が作るなんて言ってたし、少し羽を伸ばさせて」

 そういって両手を上げ、わざとらしく伸びをした。

 僕は僕で小夜の食事に期待していると、なぜか女生徒が飛び込むように入ってきた。

 それも一人ではなく三名。

 いずれも包帯のような黒い布で目元を隠している。

「なっ!?」

 危険を感じ、僕は咄嗟に楔の前に出る。しかし、楔も前に出たので横並びになる。

 なんだこれ。

「えっ!?」

 それからその三名は楔に目をくれることもなく僕に飛びついて来た。

 避けるわけにも行かず容易く組み敷かれる。

 まるでわけがわからない。

「……どっきり?」

 置いてけぼりの楔。

「だといいんですけど」

 遅れて入ってきたのは姫城さんだった。

 いや、目の色が違う。

 キミだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ