表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/210

15

 そういった楔はどこか満足そうだった。

 さすがに僕の今の恰好は擁護しきれないので言い返せず、罵声を受け入れるしかなかった。

「周はどうしてここにいるの? 私に二年ぶりに会いに来たとしては愚かな方法だけども」

 会いに来るだけで転入してたまるか。

「まさか、呪われたの?」

 性転換がバッドスキルなら確かに呪われたようだ。呪詛返ししたら都和が男にでもなるのだろうか。僕がこんなに苦労しているのだから少し見たい気もする。

「実はだけど……」

「待って」

 そういって、楔は僕の腰回りを撫で始める。

 次に喉に触れられ、下腹部を撫でられ、胸をたっぷりと触られた。

 性的に身体を触っているわけではないので僕は身体を強張らせ我慢した。

 セクハラになりつつある長い触診の結果、僕がここにいることに気付いたらしい。

 僕に目を合わせ、こう切り出す。

「ブラジャーしてないの?」

「そ、そうじゃなくて……」

 思わず弱つっこみ。

 問題点はそこじゃない。

「女の子になっているのね」

「そういうこと」

 こんなに触らなくても二年ぶりにあった僕の声が高くなったところとか、若干背が低くなっているとことか、筋肉の付き方の違いで気付いて欲しいものだ。観察力は高いくせに確認をしっかり取るところは昔と変わらない。とはいっても、僕が女の子に間違われるたびにすごく不機嫌にしていたからこそ配慮してくれたのかもしれない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ