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「終わりにするか?」

 顔が赤い。

 いや、僕も赤いんだろうけれども。

 僕は黙って小さく頷き、自分を守るために目を閉じた。

「どうしたんだ。周はそんなキャラじゃないだろうに?」

「能力が暴走してるの……」

 正しくは能力補給だが訂正する余裕はない。

 すると都和は僕の左の手首を拘束した。

「え、ちょっと」

 思わず目を開ける。

 都和の目の色が変わっていた。

 案の定だ。

 まあ、僕が誘発してしまったようなものか。

 だが以前と違って対抗するための能力を持っている。

 僕は第一声を身構えた。

 つもりだったが、まさかそのままキスをされるなんて思わず対応が遅れる。

「んんん!」

 また夢中になってしまいそうなところで僕は右手で押し返した。

 しばしキスされそうになるのを拒否する攻防が繰り広げられると都和がようやく口を開けた。

「拒否しないで」

 声に聞きおぼえがあった。

 優しく、幼い、それでいて芯があって残る声。

「……え、伽羅なの?」

 僕の思考回路は止まった。

 だが、なんとか乱暴に動かしキスを防ぐ。

「意地悪」

 幼く怒る。

 なぜこのタイミングに僕の目の前にいるのだろうか。

 言いたいことはあるのに言葉になかなか出来なかった。

 そして、僕は思う。

 何人が都和の中にいるのだろうか。

 反転だけでやはり終わらないのかもしれない。

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