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 ちょっと物騒だが具体的な方法は見つからない。

 人格を殺すって精神的に追い詰めたところで戻ってしまうだけだ。

 やはり話し会いか。

 運良く移れる人がいれば良いが、新しく呪ってまで移したくはないものだ。

「保留だな」

 考えが煮詰まったところで都和の部屋の前に到着した。

 ただ、珍しく鍵がかかっていて開かなかった。

 刹那的に悩んだが、僕は再現性を使い解錠し中に押し入る。

 使い勝手が良く、使いにくくないため重宝するものの少し中毒になっていることを客観的に僕は思うのだった。

「失礼します……」

 都和は勿論寝ていて、健やかな寝息を立てている。

 僕は邪魔にならないように近くのソファーに座りぼんやりする。

 今日のご飯はなんだろうとか、授業の内容だとか、家族のことだとか漠然と学生らしいことを考えていた。

 三十分は経っただろうか、都和が寝返りを打った。

 布団が捲れたので老婆心ながらしっかりかけ直したところで都和は目覚めた。

「……夜這い?」

「違います」

 いや、見ようによっては言い訳できないけど。

 否定してみたが、返事はない。

 都和はまだぼんやりとしていて夢見心地で僕に絡みついてくる。それは離れてしまった抱き枕を抱え直すように。

 抵抗しようとしたが、タイミングがずれてしまい僕は布団の中に入れられてしまう。

 拘束はそこまで強くないが、柔らかな触感と温もりが心地よく僕の抵抗心を削っていく。

 あまり眠たくなかったが、眠気は簡単に襲ってきて僕はまどろむ。

「……」

 だから油断してしまった。

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