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「追い出す方法? あるとは思いますけどよく知らないです」

「知らないの? 追い出そうとしたくせに」

「んふふ、必要なくなりました。周さんのおかげですよ」

 褒めてないのに無垢な笑顔を全開にさせるのだった。

 僕は少し視線をそらす。恥ずかしくて。

「さてと、このままいちゃいちゃしたいですがそろそろお弁当を作らないと折角の早起きが無駄になっちゃいます」

「別に僕は強く求めてないよ?」

「んー、ちょっと私のわがままですね。バランスの良い食事を食べて栄養付けて力にして私を……お、押し倒して下さい」

「顔を真っ赤にするぐらいなら言わないでよ……」

 そういって、くるりと僕に背を向けて去っていく。

 少し惜しかった気がするけど……って、なんて考えをしているんだか。

「言い忘れてました」

 扉が開いた。

 勿論開けたのは小夜だ。

「なんで、周さんそんなに顔が真っ赤なんです?」

 よこしまだったなんて言えず僕は誤魔化す。

「ノーコメントで……なに?」

「いえ、用ではないのですが私の部屋には今は入らないで下さいね? 絶対ですよ?」

 振りなのだろうか。

 こくんと頷いておく。

 さてと、僕は小夜が行ってからしばらくして部屋を出る。トイレを済ませて一旦、都和の部屋に戻ることにした。

 楔には悪いが、ちょっと顔を見るのが気まずいのだ。

「はてさて……」

 都和の部屋へ行く途中、僕は考えていた。

 反転を追い出す方法を。

 どこかアパートやマンションの住人を追い出すことに似ていると思う。

 それに合わせるなら一つは、元のいたところに戻ってもらうこと(実家への帰省)。もう一つは呪いで住処を作り移動してもらうこと(引っ越し)。

 最後は。

 勿論殺すことだ。

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