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 とりあえず、晩御飯まで一時間もないようなので部屋の中で過ごすことにした。

 反転がなにかちょっかいでも出してくるかと警戒していたが、まるで何も起きなかった。

 お酒を飲ませると出てきやすいそうだが、そんな理由で都和にお酒を飲ませるわけにもいかない。

「……んー、どうするべきか」

 結局保留。

 あっちからしないのであれば、こっちから起こして見ても仕方がないし。

 本棚にあった適当な漫画を借りて読みながら僕はまた来た玖乃からのいやらしいメールに律儀に返していると、都和が近寄ってきた。

「どうしたの?」

「珍しく携帯を触っているなーって」

「僕だって、友達とメールぐらいしますよ」

「女の子?」

「まあ、女の子ですけど」

 残念ながら玖乃の中身は男子中学生レベルだ。

「もう学園の子に手を出したのか!」

「出してません。中学の同級生です」

「どんな子?」

「一文字だったら奇で二文字だったら変態で三文字だったら女の敵でしょうか」

「おいおい、ろくでもなくないか?」

 否定はしない。

 むしろ僕から肯定してしまいそうだ。

「その女の敵からどんなメールが来てるんだ?」

 ぐいと近づかれるが、僕は距離を取る。

 さすがに写真を見られては僕にいらぬ疑いが付いてしまう。

「プライバシーの侵害ですって……強いて言うならば、誰よりも男のメールですよ」

 それかスパムメールに近い。

 都和は僕が頑なに携帯の画面を見せようとしないので、もといた場所に戻るのだった。

 しばらくして僕に少し驚くメールが二通届いた。

 一通は玖乃から。

 省略してそっちに移動しようとしても行けない。誰かに邪魔される。

 とのこと。小夜や楔ではないだろうが、省略できないとはどういうことだろうか。

 もう一通は昨日の意味深なメールアドレスから。

 会ってみませんか。一人になれるところでメールを返して下さい。

「……」

 危ない橋か。

 僕を知り過ぎているし。

 小夜に相談してからにしてみよう。

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