表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
124/210

124

 楔と別れ、一度部屋に戻ることにする。

 階段を登り、奥の部屋。

 ネームプレートでしっかり都和の部屋を確認してノックしてから開ける。

「おかえり」

 ベッドの上にお菓子を広げていた。

 あまり良いことではないが、チョコレートなのでそんなに落ちることはないだろう。

「どうしたんだその格好は?」

「少し女の人をたぶらかす必要があって……」

「ははは、周はプレイボールだなあ」

「試合開始しないで下さいよ。冗談です」

「そんなに弱いつっこみだと裏を考えてしまうよっと。制服は?」

 どうしたんだっけ。

 あれ、喫茶店に行くときまでは小夜が持っていたような。

 そう思っているとメールが届いた。

 玖乃からだ。

「ヴ!?」

 僕の制服は彼女に着られていた。

 それにしてもなぜ、目線を隠してかなりきわどい恰好で僕に送ってきたのだろうか。

 僕は返信を短く打つ。

 返せ、と。

「制服は旅に出ました……スペアあるんだっけ」

「んあ? あるぞ」

 立ち上がり、クローゼットの中を僕に見せつけてくる。

 スペアは僕用が他に二着あった。

「多くない?」

「戻れなかったときように」

 浮かべられた笑みに僕は苦笑で返す。

「戻りますから」

 僕が決意表明するも。

「んー」

 都和はどこか他人事のように僕の口の中にチョコレートを突っ込んでくるのだった。

 口の中が甘い。

「なんか、都和の熱が冷めてる気がする……」

「あー、別にそういうわけじゃないんだが乱暴な一人がいなくなったし少し気が楽になったからなあ」

 そうか、裏千華は都和の中にはもう入らないと言っていた。裏千華が入る分には負担が大きかったのだろう。

 負担的な問題が軽減されたところで僕らの最終目標は反転の概念の討伐である。

 反転の概念の思惑はどうであれ、追い出す必要がある。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ