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勇者が英雄に変わる瞬間  作者: しろたん
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7


「癒沙ちゃん、練と一緒じゃなくて残念だったな⁇」


「いえ、大丈夫です。それぞれ、役割があるのでしょうがないです。」


「そうか、そういえば、いつから練のことが好きだったんだ?」


「えっとですね…初めて見たのは入学式のときです。私は男の人と話すのが苦手だったんですけど、委員会の時とか結構話しかけて来てくれて知らない間に好きになってました…」


「へぇー意外。てっきり、一目惚れかと思った。」


「それは私ではなくて凛ちゃんです。」


「えっ そうなの?」


「同じ部屋になった時にそう言ってました。」


「意外に純情なんだな…あいつ」


「ええ、ただ単に練君が困ってるから助けているんじゃなくて本当は話したいから助けただけみたいですしね。」


「それと戦わないといけない癒沙ちゃんはたいへんだな…」


「いえ、この頃諦めかけてますし…」


「何でだ⁇まだ付き合ってすらいないじゃん…」


「そういう問題ではなくてですね…練君の隣に立つ自信がないんです。」


「どういう意味だ?」


「えっとうちのクラスで神崎君と練君と凛ちゃんは別格だったじゃないですか…その中でも練君は格が違います。私たち、秀才がどんなに努力しても追いつけないほどの差があります。」


「確かに…俺はサッカーをしてて誰にも負けない自信があったが…あいつに会って初めてこいつには勝てないと思ったぜ。嫉妬するのもバカらしくなるほどにな…」


「そうですか…私は練君のことが好きですが、気持ちですら凛ちゃんに負けます。他の部分でも…」


「あれはちょっと異常だしな…」


「それに、もし凛ちゃんが練君と離れると凛ちゃんはきっと壊れてしまいます。だから…少しづつ、諦めようと思います。それでいつか自分に合った人を探します。今回、好きになった人は自分には重かったと思って…」


「友達に優しすぎるな…けど、自分で決めたなら良いんじゃないか?でも次に好きになった相手を練と比べたらかわいそうだからやめてあげろよ。おそらく負けてる所が多過ぎて、勝ってる所を探すのがたいへんだからな。」


「はい。それよりここが営所ですかね?」


「そうだな…行くか。」


「はい。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「練君、どこに向かってるの?」


「これから商人の所に行くつもりだ。やはり酒場が良いかもな…情報収集がしやすいだろう。それに運が良ければ、魔石も売れるしな…とりあえず、商人を探すぞ…」


「うん、《遠視》…いた。あそこに商人が固まって酒を飲んでるわ。」


「・・・そうか、行くぞ。」


「ええ」


まさか、いきなり遠視を使うと思わなかったため、びっくりしている。

酒場に入って、すぐにいた年寄りに話しかけた。


「ちょっといいか?」


「なんだ、お前ら?」


「あんたら、商人だろ…酒代を出すから地図と情報が欲しい。」


「いいぜ、ただ金額によっては話せないこともあるぜ?」


ニヤニヤしながら言われたのでとりあえず、銀板を三枚置いた。


「内容によっては増やすからな…それとも足りないか?」


その瞬間、周りの部下達も目を丸くしていた。


「おい、地図を持って来い!」


部下達に命令した。


「質問によっては答えられないが大体のことは答えてやるよ。」


と地図を開きながら言ってきた。


「今俺たちがいる街はどこだ?魔物に襲われて地図を焼かれてしまって迷った末に着いたのがここなんだ。イゼリアに向かいたいんだが、どの方向に行けばいい?」


「そうか、今俺たちがいるのはここだ。ムースという街だ。ここから西に三週間くらい行けば着くはずだ。」


「そうか、ダンジョンで取れる魔石は相場はどのくらいなんだ?」


「大体、銅板五枚から六枚だな。ただ、属性や大きさや階位によって変わるがただの魔石ならそれくらいだな。」


「あんたらなら魔石をどれくらいで買う?」


「俺たちなら六枚で買うな…」


「あんた達にまとめて売ると言ったらすぐに買うつもりはあるか?」


「まあ、普段は冒険者ギルドに取られるからできるなら欲しいな。」


その言葉を聞いた瞬間は目の前に魔石を千個、置いた。


「これはまとめていくらだ?」


「お前らは本当に何者だ?」


さすがの商人もこれには戸惑っていた。


「俺は客だ。」


「私もです。」


「そうか…おい、お前ら酒は終わった後に好きなだけ飲め。だから先にこれの鑑定をしろ。」


そう言うと部下達が一気に活動し始めた。さすがは商人だ。お金になる物には早い。


「ちょっと待っててくれ。今から鑑定をしてそれが終わったら買い取るから休んでろ。」


「わかった。」


(こいつらは本当に何者だ?こいつからは金の匂いがする。出来るだけパイプを繋いでおいた方が良いな。)


全部、練には聞こえているんだが…


「おい、お前ら名前はなんだ?」


「俺の名前は練だ。こっちは凛。あと、二人いるが今は別行動をしてるんだ。」


「俺たちはウィーン商会だ。俺は商会の長、ウィークリーだ。自分で言うのもなんだが一応、かなりの大きさの商会のはずだ。俺たちの本部はイゼリアにあるからこれを渡せ、それなりに役に立つ。いくらか融通をきかせてくれるはずだ。」


と言ってカードと手紙を渡して来た。


「わかった。恩に切る。」


「そろそろ、終わりそうだな…えっと数は千個、全部状態は良いな。金貨六枚だな…ほいこれで取引は成立だ。」


「ああ、ありがとう。」


「いや、こちらこそ、貴重なものをありがとよ。できれば、これからは全部うちに流してくれると助かるな…」


「わかった。なら出来る限り、そっちに流す。」


「おいおい、良いのか?ギルドからの信用を失うぜ。」


「別に構わない。どうせ、俺たちはその倍の信用をもらうからな。」


「はは、お前面白い奴だな…」


「そういえば、魔物の素材も買い取ってもらえるのか?」


「ああ、できるぞ。流石にここじゃ無理だが本部や支部でなら出来るだろう。」


「食料や薬とかは買えるか?できれば魔法薬が良いんだが…」


「ああ、あるぜ…一通り、売ってやるよ。」


「そうか…助かる。」


「いや、こっちは商売だからな…」


それから食料と薬を貰って金を払った。


「じゃあ、世話になったな…また会おう。」


「ああ、またな…」


バタン


「変な奴らでしたね…」


隣にいた部下が話しかけて来た。


「ああ、あんなに変な奴ら三十年やってて初めて見たぜ…しかもこんな大量な魔石を売って行きやがるし、なんなんだ?」


「うちとしては珍しい物が手に入ったので良いですけどね。」


「あいつらはそのうち、有名になるかもな…」


「そうですね。」


「良いことが起きたから朝まで飲むぞ、お前ら!」


(俺たちは運が良かったのか悪かったのかわからないが今は忘れよう。だが嫁になんて言われるかわからねぇな…)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「おーい、おっさんいるか?呼ばれたから来たぞ!」


「おー、お前ら生きていたか…突然、いなくなったからどうしたのかと思ったぞ。」


「いや〜 うちのリーダーが残党狩りになったらあとは任せて良いだろとか言って宿を探しに行ったんだよね…」


「なんだそれ…普通、残党を狩るのは金になるから逆にみんな参加するのにな…」


残党狩りは敵を背後から攻撃し放題なので自分たちが怪我をすることがないので安全なのだ。


「うちのリーダーはちょっと変わってるから…」


隣で癒沙が首を縦に振ってる。


「本当に変わってるやつなんだな…それより、危険を知らせてくれて感謝する。」


「いや、別に良いよ。」


「本当は御礼をしないといけないんだが、今は修復中で金がないんだ。すまない。」


流石に、魔物の侵攻なので無傷ではなくて所々、その跡が残っている。


「いや、良いよ。リーダーに御礼はもらわなくて良いって言われてるんだ。」


「そうか…本当に助かる。君たちのリーダーは相当、良い人間なんだな…」


「当たり前だ。そうじゃなかったら、着いて行ってない。」


「そうか、君たちはどのくらいここにいるんだ?」


「おそらく今日中に出て行くつもりだ。」


「早いな…名前を聞かせてもらっていいか?」


「俺は瞬、リーダーは練、女の子の名前は教えないぞ。」


「わかった。その名前を覚えておこう。」


「じゃあな、またどこかで会おう。」


「わかった。またな…」


そう言って俺たちは別れた。


「瞬君、今凛ちゃんから念話が来て、情報とお金と食料と薬は手に入ったらしいです。」


「早くねっ?こっちはまだ、営所しか、行ってないぞ?」


「ええ、あの二人の規格外なのがよくわかりますね…」


「俺たちどこにも寄り道してないよな⁇」


「ええ…」


「それでなんて言ってきた?」


「とりあえず、昨日泊まった宿の前で待ち合わせるとのことです。それよりさっきの良かったんですか?」


「何のことだ⁇」


「御礼のことです。勝手に決めて大丈夫なんですか?」


「まあ大丈夫だろ…逆に貰って来たらあの二人に殺されそうだけどな。」


「それもそうですね。」


「癒沙ちゃん、この頃容赦ないね…」


「まぁ、事実ですから…」


「それなら急ぐか?」


「はい」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「昼食をどこかで食べながら話そう。」


「そっちはなんでそんなに早く、集まったんだ⁇」


「実はたまたま、商人と知り合ってそこで全部済ませた。」


「なるほど、流石すぎる。」


「それでこれから、どうするんです?」


「これから冒険者ギルドに行って俺たちのクランを作ろうと思うんだがどう思う?」


「いいね!名前は決まってるのか?」


「それを決めるために集まったんじゃない⁇」


呆れながら凛が言った。


「てっきり、練が決めてると思ったんだがな…」


「練君はもう、決めてるんですか?」


「いや、勝手に決めるのは悪いと思って何も考えてなかった。」


「なんか、良いのはないかな?」


「こういう時は直感に任せるのが一番いい。」


「なら今から十秒後に言うか?」


「いいね、それ!」


「十秒後にに言うから考えろ。」


・・・・・・・・・・


「よし、十秒たったぞ。」


「英雄の剣はどうだ?」


「日の英雄は?」


「それじゃ私たちだってすぐにばれちゃいはすよ…」


「そうよね。」


「英雄の正義、とかは?」


「英雄ってなんか周りからクレームが来そうな感じがするな…」


「そういうことも考えないといけないのね…」


「英雄をなんか違う言い換えができれば良くないですか?」


「英雄の言い換えねぇ〜」


「おい、学年一位と二位頑張れ。」


「うるさいぞ…なら栄光はどうだ。いろんな意味に取れてバレる可能性も低くないか?」


「栄光ね、それいいわね。」


「じゃあ、栄光の正義か、栄光の剣だな?」


「けど、旗のマークも大事だよな?」


「確かに、忘れてたな…」


「剣か正義、書きやすさでいったら剣だよな…」


「なら栄光の剣だな。」


「マークはどうする?」


「良い方法が思いついたんだけど良いかしら?」


「なんか、思いついたか?」


「ええ、私たちの武器って全部剣じゃない。大きさは違うけど…ならその武器を全部載せるのはどうかしら?」


「確かにそれは良いな…なんか、始まりの四人って感じがするな。」


「じゃあ、デザインはどうする?」


「やっぱり、親友として大剣と両手剣を交差させよう。」


「なに、勝手に決めてるのよ。それは私の細剣に決まってるでしょ。大剣はデカイんだから…一番後ろで良いのよ。」


「じゃあ、私の短剣は一番前ですね。」


「そうだな。まず、短剣を一番前に刺して、その後ろに細剣と両手剣を交差させて置いて、一番後ろに大剣でいいな?」


「ええ〜、俺は交差させたかったんだけどなぁー…」


その瞬間、凛から鋭い視線が飛んだ。


「瞬君、何かまだ言いたいことがあるなら言いなさい。」


「いえ、何もありません!」


「よろしい。」


「じゃあ、飯を食ったら、冒険者ギルドに行くか…」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「こういう時って誰かに絡まれることがあるんだよな…」


「それは小説の中だけでしょ。そんなバカな話はないでしょ。それに私のことは練君が守ってくれるから安心だもん。」


「まぁ、とりあえず絡まれたら瞬がぶっとばせ。どうせ、今日中に出て行くんだから思いっきりやれ。ただ、手加減は間違えるなよ…」


「わかったぜ。」


そして冒険者ギルドに入って行った。


カランカラン


なぜか、入った瞬間、みんながこちらを見た。


(まぁとりあえず、無視だな。)


「すまないがクランを作りたいんだが申請をできるか?」


目の前にいた職員に頼んだ。


「は、はい。申請はこの紙に全て書き込めばできます。」


「えっと、名前と旗のマークと創設者と責任者と構成人数か…」


「責任者と創設者は練でいいよな?」


「構成人数ってのは変わるたびにギルドに来ないとダメなのか?」


「いえ、それはギルドカードに登録すれば自動的にこちらに登録されます。しかし、責任者が変わる時のみギルドにお越しください。」


「わかった…これでいいか?」


「はい…大丈夫です。少しお待ちください。」


「おいおい、お前ら弱そうなくせにクランなんか作るのかよ…舐めてんじゃねぇぞ!お嬢ちゃん達俺たちと来ないか。そんな奴らより俺らの方が強いぞ?」


ニヤニヤしながら、二人組が絡んで来た。癒沙はオロオロしてるし、凛はどうでもいいのか、完全に無視してる。


「おい、そこの黒髪の女、こっち見ろよ!」


「それ以上、近寄らないでくれないかしら、あなたの匂いきつ過ぎて吐き気がするわよ。」


完全に喧嘩を売ってる…


「お前ら、そこにいる雑魚どもをボコボコにしたらこいつらの前で可愛がってやらすからな。」


ドカン!!!


その瞬間、我を忘れて手を出していた。

殴られた奴はギルドの壁を突き破って飛んで行った。


「瞬、すまん。なんか我慢ができなかった。」


「いや、いい。あと、十秒遅かったら俺が手を出していた。」


周りの奴らが騒ぎ出した。


「この壁、石でできてるんだぞ!」


「あいつ、死んだんじゃないか?」


「あいつの動きが全く、見えなかったぞ!何者だ、あいつ!」


もう一人いた奴が俺たちに言ってきた。


「お前ら、俺たちはレッドハングっていうクランに入っているんだぞ!お前ら俺たちに手を出したらどうなるか、知らねぇぞ。絶対にただでは死ねねぇぞ!」


「お前らの長に伝えておけよ。来るなら来い。ただ、次に来た時は命を賭けろよ。誰を怒らせたのかわからせてやる。」


「ひっっっ一っ」


悲鳴をあげて、どこかに去って行った。


「じゃあ、もう登録も終わったし行くか…」


「そうだな。」


「あの、あれはよかったんですか?」


「別に良いだろ…」


「ええ、魔法を飛ばさなかっただけえらいよな。」


「ていうか、瞬さっさと殴れよ。」


「本当よ。」


「ええと、なんかすまん…」


「まぁ、さっさと、この街から出た方がいいな。めんどいことが起こる気がする。」


「ならこのまま、西へ向かいましょう。」


「まぁ、その方がいいか…」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


街を出てしばらくすると


「なあ。尾行がいるよな…」


「本当に来るとは、めんどくさいですね。」


「まぁ、ちょっかいを出して来るまで放置でいいだろ。」


「いやそろそろ仕掛けてくるぞ。援軍がやって来た。」


「おい!お前らか、うちの奴をやったのは⁉︎」


「多分、そうだが、そっちから仕掛けて来たんだぞ?」


「そんなこと、知るか…それにしてもいい女だな…お前俺の女にならないか?」


「いやよ。しつこい男は好きじゃないの。」


「そうか、なら力ずくで奪ってやるよ!!!」


後ろに控えていた部下たちが突っ込んで来た。


「お前ら、手加減はしなくていい。今回は殺し合いだ。覚悟を決めろ。」


「ああ、一発目は俺が貰うぜ!『岩槍激流』」


岩槍激流

大量の岩で出来た槍が激流のように襲う技。


「いや、やり過ぎじゃないですか?」


「だって練がいいって言ったから問題ないだろ。」


「そうよ、なんで私より早く攻撃してるのよ。私が一番、怒ってるのよ。『風弾』」


「いや一番、キレてるのは明らか、アレだろ。」


「そうね、アレはヤバイわ…」


癒沙は完全にビビってる。

それは練が相手に突進して、敵を剣の腹で力ずくで攻撃してるのだ。ステータスのフル活用だ。


「なんでだ⁉︎スキルが使えないぞ!」


「ギャー」


「おいお前なんとかしろ!」


「魔法が出ねーぞ!」


今、地獄絵図になっていた。


「・・・イヤー鬼畜だね〜」


「油断したら練君に嫌われる…」


「えっ そっちなの?」


結局、ほぼ全員練が倒した。


「こういう時ってこいつらの物って奪っていいんだよな?」


「奪うって言っても、ほとんど、防具と武器しかないけどな。」


「アイテムボックスも奪うぞ。」


「ああ、なるほどね。」


「凛と癒沙は待ってればいいぞ。」


「えっ、手伝うよっ。」


練は本当に全部奪った。


「こいつらは放って置いていいよな?」


「良いんじゃない?自業自得でしょ?勝手に魔物が処理してくれるでしょ。」


かなり鬼畜なことを言っている。血の匂いに反応した魔物が集まってくるから後は魔物に任せるというのだ。


「まっ待ってくれ…」


「なんだ…まだ意識があったのか。」


「頼むから、街まで連れてってくれ。」


「お前らは俺たちを襲ったんだぞ。情けはかけん。」


「くっ」


「待ってくれ…俺からも頼む…」


もう一人、意識があった奴がいた。


「知らん。放って置いて先に行くぞ。」


「そんなぁ〜」


「ちょっとかわいそうじゃないですか?」


「癒沙、ちょっと優し過ぎよ。こいつらに捕まったら自分がどうなったか考えた方がいいわよ。」


「そ、それでも今の状況で放って置くのはダメです。」


この時、敵には癒沙は天使に見えただろう。まぁ、近くに悪魔がいるんだが…


「じゃあ、癒沙。こいつらを街まで送れば良いんだろ?」


「そ、そうです。」


「リーダーから行くぞ。」


そして練はリーダーを持つと思いっきり投げ飛ばした。


「ぎゃぁぁぁぁぁ〜」


どんどん声が遠ざかって行く。


「生きてるかどうかはあいつの運次第だな…よし、どんどん行くぞ。」


「ちょっと待ってくれ…少し優しめで頼む…」


「うるさい。さっさと行け。」


「ぎゃぁぁぁぁぁ〜」


「あと、何人やればいいんだ?あと、三十回か。」


そしてどんどん投げ飛ばして行く。


「このクランには天使と悪魔がいるわね…」


「ああ、流石にアレはヒドイ。」


「練君、酷過ぎます。」


癒沙なんか涙目になっている。


「よし、終わったな。次の街を目指すぞ。」


そうして、また旅を始めた。

この時、街では外壁の前にたくさんの人が倒れているので騒ぎになった。誰も死ななかったが、そのほとんどが全身骨折だった。




PV2000、ユニーク200を突破しました。


これからもよろしくお願いします。

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