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勇者が英雄に変わる瞬間  作者: しろたん
7/33

6


「にしても、ずっと木ばっかしかないな…」


「もう少しで着くような気がするけどな…」


「まだ、あんまり強くない魔物しか出て来てないからそんなに困ってないけどね。」


実際、魔物が出た瞬間、凛が風弾で瞬殺する。正直言って困ってない。だが、いい加減街に入りたい。かなりの距離を歩いたはずだ。体力的には余裕なんだが、精神が参ってしまう。景色が変わらないってこんなに辛いとは思わなかった。なんか、俺の気配察知に何かが引っかかった。


「凛、あっちになんかいないか?」


「えっと、、、反応が5000以上あるわよ⁉︎」


「瞬、この辺で戦いやすい場所はあるか?」


「今、探してるけど、ないんだよ。一箇所なくもないが街に近過ぎで他に被害が出る可能性があるんだよ。」


「だが、それをほっといても、街に行くよな?」


「ええ、ほぼ確実でしょうね。」


「じゃあ、二手に別れるか…街に報告する奴と相手を引きつけながら戦うのに…まぁ、メンバーは決まってるんだが…」


「俺たちは練に従うぜ。」


「ええ」


「はい」


「じゃあ、瞬が応援を呼んで来てくれ、俺たちはその間にちょっとづつ後退しながら戦っておく。」


「わかった。急いで行くから死ぬなよ。」


「誰に言っているんだ。お前が行ってる間にこっちは終わってる。」


「じゃあ、健闘を祈る。」


「早く、行ってこい。」


今のステータスはこんな感じだ。


無坂 練 16歳 男

レベル51

体力:500

魔力:500

筋力:2000

敏捷:2000

耐性:750

運:50

スキル

《心の声》《スキル無効》《統率者》3人《気配察知》


早川 瞬 16歳 男

レベル42

体力:615

魔力:492

筋力:922

敏捷:738

耐性:615

運:50

スキル

《剣術》《土属性》《身体能力強化》《加速》


黒木 凛 16歳 女

レベル44

体力:645

魔力:1290

筋力:516

敏捷:645

耐性:516

運:150

スキル

《念話》《遠視》《風魔法》《魔力探知》


中山 癒沙 15歳 女

レベル37

体力:270

魔力:540

筋力:270

敏捷:270

耐性:270

運:200

スキル

《治癒魔法》《魔力強化》《魔力回復速度強化》


となっている。凛が瞬より高くなってるのは魔法でまとめて倒したり、必ず凛の魔法で戦闘が始まるので自然に魔物を倒す数が増えるからだ。


俺の方が速いが街の場所がわからない。だから瞬に任せる。加速の効果を使えば、充分の速さが出るから問題はないだろう。


《加速》

速さというものをなんでも二倍にできる。


説明はかなり、いい加減だが、スキルとしてはかなり使える部類に入るだろう。速さとは足だけではなく、剣や魔法にも使えるので応用ができれば、かなり使える。

そして、瞬が遠くの方まで行って、もう見えない所まで行ってもう姿が全く見えなくなった。


「さて、俺らもできる限り、バレないように離れよう。」


「今から、接触しなくていいの?」


「戦いながらじゃ敵の進行速度が速くなるだけだからな。できる限り、戦闘は避けて、どうしようもなくなった時に応戦しよう。」


「わかったわ。」


「はい」


「じゃあ、一旦あいつが行った方向にいくか…」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


(俺がこうしている間もあいつらは追い詰められているかもしれないんだ。全力で行かなければ…《加速》)


さらに速度を上げるためにスキルを連発する。


(おっ、、、街の門が見えた。あと、もう少しだ。)


「おーい、あんた門番か⁉︎」


「うおっ⁉︎ なんて速度出してるんだ。危ないだろう!」


「そんなことはいいんだよ、おっさん!実はこの街に5000近い魔物が近づいているんだ!だから救援を頼みに来た。俺の仲間が今、囮になって侵攻を遅らせている。だから他の冒険者に声をかけてくれないか⁉︎」


「なんだと⁉︎本当なんだろうな⁉︎」


「本当だ!!!」


「おい!至急、鐘を鳴らせ!!!騎士団と冒険者に緊急要請しろ!!!全員、戦闘準備をしろ!!!」


「「「「「はっ」」」」」


(このおっさん、かなり偉かったのかもしれん。ラッキーだったな…)


「俺は仲間の所に戻ります。」


「わかった。気をつけろよ。全部終わったら営所に来てくれ。」


「わかりました。では…」


(無事でいてくれよ…心配するだけ、無駄な気がするが…)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ちょうど、瞬が門番に話しかけた所から戦闘が始まった。陣形は俺が一人で前衛、癒沙を守るように凛が魔法で応戦している。数が多過ぎるので、離れ過ぎないように注意しながら、戦う。


「『風域』」


風域

風属性で中位に入る魔法だ。半径10メートル以内に入るものを風によって手に取ったようにわかる魔法だ。


多対一の時によく使われる魔法だ。


「『風刃』」


一気に五体のゴブリンの首を飛ばしてる。

相変わらず、魔力が多いから他の奴の風刃の二倍はありそうだ。巻き込まれないように注意しないとな…最悪、無効化すれば問題はないだろうけど。と思いながら、オークを真っ二つにする。だいぶ、慣れたつもりだがまだ違和感があるな…人を殺した時はもっとなんだろうけど。


「『治癒』」


癒沙がちょくちょく凛に魔法をかけている。まぁ、癒沙は魔力回復速度強化を持ってるから多少減ってもすぐに回復するから何もしないよりはちょっとは使った方が良いのだ。


《魔力回復速度強化》

魔力の回復速度が二倍になる。


治癒

体力と魔力を多少、回復させることができる。


どちらも名前の通りの能力なんだが…

凛と癒沙のコンビは近づかられなければ、最強だ。そのための俺だが、スキル持ちの魔物でも無効にするし、肉弾戦をすればスキルを無効された状態で筋力が敵う奴などそうはいないから最強の盾だ。攻めず、護っているだけなら、誰にも劣らないだろう…自分で言うのもなんだが…


「それにしてもゴブリンにハイゴブリン、ゴブリンウィザード、ゴブリンナイト、オーク、オーガ、ブラックウルフ、ブラックタイガー、タイラントベア、ロックモンキー、ゴーレム、ロックゴーレムとか、多いな…サイクロプスとかも向こうの方にいないか?そのうち、希少種が出て来そうだな…出来れば、良い素材が手に入れば良いけどな…そろそろまた、少し後退するぞ!今回は長期戦だからな…」


正直、一人で突っ込めば全然、勝てるんだが、こんな所で有名になったらすぐに王国に見つかってしまう。だから皆、手加減をしながら戦ってる。凛だって本気を出せばかなりの数を一気に潰せるだろう。

倒した魔物はちょくちょくアイテムボックスに回収している。冒険者はほとんどの奴が持ってるから多用して大丈夫だ。錬金術が使えれば、簡単に作れるらしいが…確か、如月が錬金術を使えたはずだからこき使われているだろう…


「あと、もう少しで瞬君が合流するわ。」


「思ったより速いな…」


「かなり急いだみたいね。」


「意外に瞬君って仲間を大切にしますね。それに心配性です。」


「そういう奴じゃなかったら親友にはならなかっただろうな…」


「意外に瞬君のことを信用しているんだ?」


「まあな。凛、頼む」


「『砂風』」


砂風

ただ単に風と砂を一緒に敵当てる魔法だ。目潰しや時間稼ぎに使える。


「あいつが帰ってくれば、俺が相手のスキル持ちを全部潰して来るのに…」


「しょうがないですよ。街に知らせに行っていたんですから…」


「ああ、わかってる。でもいい加減、後ろの方からスキル持ちがばかばか撃って来るのはむかつくぞ。」


「確かに、ムカつくわね。」


「すまん。遅くなった。」


「ほんとうだ。」


「遅過ぎよ…」


「ふ、二人共、瞬君も頑張ったんですからそこまで言わなくても…」


「俺のことを癒してくれるのは癒沙ちゃんだけだ…こいつらと違って…」


「甘やかすな…そっちの方がこいつは伸びる。」


「そうね、もっと厳しくても良いわね。」


「なんだ⁉︎この鬼畜夫婦は⁉︎息が合い過ぎて怖いぞ!!!」


「夫婦とか…まだ、そんな関係じゃないのに…もうちょっと先の話じゃない…」


凛が妄想に入ってる…この頃、俺が思っていた凛の印象が壊れて来てる。


「まぁ、それはひとまず、置いといて。街はどうだった?」


「今はおそらく、戦闘準備をしているだろう。できる限り時間稼ぎはした方が良いな。」


「そうか…じゃあ、これからはいつも通りいくぞ。瞬、思ったよりもスキル持ちが多いから遠距離攻撃は気をつけろよ。」


「わかった。女の子は意地でも守るのが俺のルールだ。」


「こいつは放って置いて次に戦いやすい場所に移るぞ。」


「わかった。」


「はい」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「じゃあ、俺は相手の後方にいるスキル持ちを倒して来る。」


「俺が代わるから行って来い。ただ殺し過ぎるたらちゃんと回収しろよ?バレたら厄介だぞ。」


「ああ、わかった。怪我をさせたらその数の倍、殴るからな…」


「理不尽過ぎるだろ!!!」


「じゃあ、行って来る。」


「スキルの攻撃で練ごと攻撃するからな…」


「そんなこと出来るわけないじゃない!!!あんた、そんなことしたら魔法の練習台にするわよ…」


「じょ、冗談だよ。マジで怖っ!」


「そろそろ、また来るぞ。準備しろよ?」


「任せて、練の後ろは絶対に護るから…」


「俺は自分の心配をして欲しいんだが…また、後退する時に会おう。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ザシュッ

相変わらず、数が多いな。俺には凛みたいに魔法でまとめて倒すことはできないからな…めんどくさい。あと、もう少しで相手の後ろに回り込める。そしたら、スキル無効で一気に潰せる。希少種がいてもステータスでは負けないだろうから大丈夫だろう。

見えた先にはさっきからちょくちょく後ろから撃って来たゴブリンウィザードがいた。全力で突進して、一瞬で斬り伏せた。おそらく、剣が速過ぎて一枚の平たくて黒い皿のように見えただろう。相手はスキルが発動しないで戸惑っているようだった。その隙に次から次へと斬っていく。剣を振り抜いた後その場にとどまらず、どんどん移動する。おそらく、ゴブリン達には残像くらいしか見えなかっただろう。それに剣の一振りで命をとるのに十分な威力があるから敵の視界には黒い残像とそれが通った後に血が飛び散って死んでいく仲間の姿しか見えてない。


(やはり、このスキル無効は魔術師にとって天敵だな…それに俺のステータスとの相性もバッチリだ。)


そんなことを考えながら、最後のゴブリンウィザードを殺した。


(さっさと死体を回収して戻るか…相手がこっちに集まって来る前に…ゴブリンウィザードの魔石はどれくらいで売れるのか楽しみだな。おそらく中位だと思うんだが…)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「『風刃』」


凛がまとめて魔物をどんどん倒していく。


(またレベルで差がつくだろうな。こんな調子で殺せるなんて狡いぞ。それに殺傷能力が高過ぎだ…こっちも魔法は使えるが土属性は目立つからここではあまり大技は使えないんだよな…)


「『土槍』『土壁』」


突進して来る敵と遠くの方から飛んで来るのが見えたから連続展開をした。土属性は攻撃力と防御力は高いが、発動してからタイムラグが少し存在する。風属性とは反対だ。普通、風属性は発動してからタイムラグの時間が最も少ないが攻撃力や防御力は少ないが凛の魔法は共に異常だ。土属性は少しでも欠点を減らすために連続展開をするらしい。団長直伝だからなかなか様になってるはずだ。


(そういえば、魔法が飛んでこなくなったな。練がうまくやったのか?)


「凛、練はどんな感じだ?」


「もう、殲滅し終わってるわよ。今はこっちに戻って来てる。『小刃・乱舞』」


凛が遠視で練のことを確認していたらしい。


(こいつ、もしかしてずっと見てたのか?凛が練と離れたらずっと見張ってるんじゃねぇか?それにめんどくさくなってちょっと大技使ってるし…)


小刃・乱舞

風刃の小さいのが大量に乱射する技だ。一発で戦闘不能にするのは難しいがたくさんの相手にダメージを負わせることができる。


(まぁ、こいつのは一発で雑魚なら殺せるからデメリットがあまりないんだよな…)


「やっぱり、まだ攻撃力が足りないわね…レベルを上げれば、もっと威力が出るかしら?」


「凛ちゃん、もう十分な威力だと思うよ…」


(癒沙ちゃんは凛に向かってならタメ口で話しかけられるようになったんだな…俺たちもいつかタメ口で読んでくれるだろ。)


「凛、癒沙ちゃんの言うとおり、十分な威力だと思うぞ。」


「私は練と隣で戦いたいから満足はしないの!」


「練がいないと大声でそんなこと言えるんだな…」


「やっぱり、本人がいる前だと恥ずかしいじゃない⁇」


「お前ら、油断をし過ぎだ…」


練が後ろの敵を斬っていた。


「ここは戦場だぞ。無駄話なら後でいくらでも出来るんだろうが、ここでは目の前の敵に集中しろ…」


「う、うん、ごめんなさい。」


「あ、ああ」


「は、はい、ごめんなさい。」


「よし、また少し後退するぞ。凛、街の方はどうなってる?」


「うん。えっと、かなりの数の人が外に出て来てる。」


「よし、ここからは街まで戦う場所もないし、一気に戻るか。」


「よし、瞬、凛頼む。」


「『砂風』」


「『土粉塵』」


土粉塵

だだ単に、土煙を相手に叩きつける魔法だ。攻撃力は皆無、目潰しなどにしか使えない。


「急いで行くぞ。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「本当に来るのでしょうか?」


近くにいた騎士が聞いてきた。


「こちらではまだ、探知ができてないからわからないが、おそらく俺の勘だが来る。あいつの目は嘘をついている目には見えなかった。」


「そうですか…」


「全員に報告します!!!魔物の反応が出ました。数は約3000です!!!」


「全員、戦闘準備をしろ!!!魔物を一匹たりとも街に入れるな!!!」


瞬が話しかけたおっさんは実はこの街を護る騎士団の団長だった。


(あのガキの言葉が本当なら、魔物の数は5000だったはずだ。なら残りの2000はどこに行ったのか、気になるな…)


そしたら、さっきのガキも含めて四人が森から出てきた。四人共ほとんど無傷だった。


(2000の魔物を倒しているにもかかわらず、無傷とはどのくらいの実力があるのか、試してみたいな。その前に目の前にいる化け物をなんとかしないとな…)


「全員、わしに続け〜!!!」


そこから人と魔物の殺し合いが始まった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「さすがに疲れたな…」


周りでは乱戦になっていた。


「こんな時に、ダンジョンで使わなかったポーションを使うと思わなかったな…」


俺たちは使わなかったポーションを大切に保管していたのだ。急に出て来たから用意があまり出来なかったし、まさかこんな事態に巻き込まれるとは思っていなかったので危なかった。


「あの時、無駄遣いをしないで本当に良かった。そろそろ、参戦するか?」


「ああ、体力と魔力が回復したら十分だ。行くぞ。」


「ええ、行きましょう。」


癒沙も首を縦に振っている。


「普通、これだけの大軍なら親玉がいるはずなんだが…そのうちわかるか…陣形はさっきと同じで行く。手加減はちゃんとしろよ?」


そして、また魔物の所に突っ込んで行った。


それから一時間ほど経過して魔物の勢いもなくなった所でサイクロプスが現れた。おそらく今回の親玉なんだろう。冒険者や騎士が手柄をあげようと集中攻撃していた。俺たちは手柄とかは欲しくないので、他の魔物を攻撃していた。サイクロプスを倒して注目されるぐらいなら他の雑魚を倒して、金を稼ぐ方が良い。今回は質より量だ。そんなことを考えながら、倒していると、サイクロプスの右腕が切られた。さすがにあれだけの量の人を相手にするのはキツイんだろうな…完全包囲されてる。それからすぐに、サイクロプスが倒されたことで魔物が引いていく。


「全員、残党を狩れー!!!」


俺たちがやらなくても誰かがやるだろ…俺たちは疲れたから今のうちに街の中に入って宿でも探すか。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


それからすぐに宿が見つかった。二人部屋を二つ借りた。その一室で一人すごく落ち込んでいる。


「凛ちゃん、大丈夫?」


「呆れられた…練に呆れられたら私、生きていけないかも…」


さっき、油断したことを根に持っているらしい。


「だ、大丈夫だよ。練君はなんだかんだ言って優しいから…」


「そうだよね!これから謝りに行こう!!!」


(あ…また敵に塩を…)


癒沙は優しいのでこういうミスをよくすることが多い。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「あんなに、敵と戦い続けたのは初めてだったな…」


「まぁ、一体一体がそんなに強くなかったからなんとかなったな…」


「けど、お前のアイテムボックス、よくあの量の魔物、入ったな?」


「ああ…アレは裏技を使ったからな…」


「裏技?」


「アイテムボックスの中にアイテムボックスは入れられないだろ?」


「そういう術式があるからな…」


「その術式を《部分無効》《完全無効》を使った。」


「スキル無効にそんな効果あったか?」


「いや、風属性の風刃などのような技らしい。」



部分無効

スキルや術式などの一部分のみ無効にする能力


完全無効

相手が無機物なら使うことができる。物や武器についているスキルや術式を完全に無効する。


「それでアイテムボックスの中にアイテムボックスをいれることが可能になり、このアイテムボックス中には百個近くアイテムボックスが入っているから余裕だ。」


「それはズルくないか?」


「実際にできてるから卑怯ではない。」


「そうだけどさぁ〜」


そして、宿にあったベッドをしまって、城にあったベッドを出した。


「・・・おまえ、城から盗んで来たのか?」


「当たり前だ。わざわざ、部屋にあった物とか、城にあった物を持って来たんだからな。」


「さっき、宿に払ったお金って城から盗んで来たやつか?」


「いや、これは違う。」


「じゃあどこからとってきたんだよ?」


「これは王様のポケットマネーから盗んできた。」


「はぁー!!!バカじゃねぇーの⁉︎どうやってとって来たんだよ⁉︎」


「金庫の術式を無効にした。二つあったうちの一つを丸々持ってきた。」


「もう、知らねーぞ⁉︎」


「あんな愚王、怖くもないからな…」


「あっそ、もうどうでもいいや〜」


完全に呆れて、現実逃避をしている。


コンコン


「はーい」


「凛ですけど、入っても大丈夫ですか?」


なんか、敬語になってる。


「良いぞ。」


凛と癒沙が入ってきた。


「あの…あの時油断してごめんない!!!」


「気にするな…今回が初めての群れとの戦いだからミスってもしょうがない。次から失敗しなければいい。」


「練君、ありがとう…」


「凛、君付けに戻ってるぞ?」


「まだ、呼び捨ては慣れてなくて、もうちょっとしたら直ると思うんだけど…それよりこのベットって城のやつじゃない?どうしてここにあるのか?」


「それは練が持って来たからな…」


「どこにそんな容量が残ってたの?こんなの入れたら他のが入らないわよ?」


「それは、こうすれば余裕だよ。」


そう言いながらアイテムボックスの中からアイテムボックスを出してあげた。


「どうしてそんなことが出来るの⁉︎説明で無理って言ってたわよ⁉︎」


「俺の能力で出来るのことが判明した。」


それから金のこととかを説明した。


「練君、やり過ぎじゃない?」


癒沙が顔を青ざめながら縦に振っている。


「あのクソ豚にはちょうど良いぐらいだ。」


「まだ、直接は何もされてないのにこっちから吹っかけてどうするのよ?」


「さて、ここで何か、買い物やら素材を売ったりして準備を整えよう…だが、その前に寝るぞ。」


そう言いながら、横になった。


「そしたら、瞬君そのベット二つ、つなげてくれる?」


「こうか?」


「それで四人寝れるわね。最悪、三人で、瞬君を隣の部屋に行ってもらえば良いから…」


「おい、待て!これは俺のベットだったやつだぞ!これは俺のだぞ!」


「でも、持って来たのは練君でしょ?」


「うっ確かにそうだけどさ…」


「とりあえず、私は練君の隣で寝るから…」


そう言いながら、横に寝て来た。癒沙はさすがに恥ずかしいのか、凛の横に寝た…そして瞬は練の横に寝た。


「結構キツくないか?」


「そうでもないわよ…嫌なら隣の部屋が空いてるわよ?」


「お前は狭ければ、練とくっつけるから嬉しいんだろ⁉︎」


「何よ、その言い方⁉︎事故なんだからしょうがないじゃない⁉︎」


「お前ら俺を挟んで喧嘩するならお前ら隣の部屋で寝て来い。」


「すまん。」「ごめんなさい。」


そう、言いながら何気に腕を組んでいる。


(凛ってスタイルが良いから当たるんだよな…寝れるか、心配になって来た…)


そんなことを考えながらながら、目を瞑ると、疲れていたのかすぐに夢の世界に行った。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


結局、みんな揃って次の日の朝まで寝ていた。


「練、起きてるか?」


「ああ、一応な…けど、起き上がれる気がしない。」


「そりゃ、そうだろ。」


凛に腕に抱きつかれてるからだ。


「これからの予定はどうする?」


「お前は昨日、言ってたが営所に行かないといけないんだろ?」


「そういえば、そうだったな…」


「じゃあ、お前らは営所に行った後、食料を頼む。俺が情報収集をして、それから魔物の素材と魔石を売ってくる。」


「わかった。だが、そこにいるお姫様達は着いて行きたがるぞ?」


「どちらを取っても揉めるだろ。なら、どっちも取らない方がいいだろ。」


「どっちも連れてかない方が揉めるだろ…」


「そうか、じゃあ、凛だな…」


「やけにあっさり決まったな…」


「癒沙は駆け引きとか苦手だろ…」


「確かに、それなら凛の方が良いな…かなり腹黒いからな。」


「なんですって?」


「ひっ…何で起きてるんだ⁇」


「折角、くっついていられるのに離れる理由はないわ!それはひとまず置いといて今のはどういうこと?」


「今のは・・・・」


凛が瞬に説教を始めた。


(正直、かなり怖いな。まだ、癒沙が寝てるんだから静かにしてやればいいのに…それにしてもよく、寝るな…そろそろ、朝食だぞ。)


「今日の予定だが、俺と凛、瞬と癒沙で行動するぞ。瞬は予定を癒沙に教えてくれ…」






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