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勇者が英雄に変わる瞬間  作者: しろたん
6/33

5

四話でPVが1000行きました。

読んでくれてありがとございます。

正直、良いのか悪いのか、わからないのでわかる人がいたらコメントか感想でおしえてください。

お願いしますm(_ _)m

あと、ユニークは100を超えてました。

あの誓いから二週間程経過した。あれから毎日、朝にボロボロになっているのが四人になった。みんな、魔力や体力が上がって来てほぼ休まず、訓練をするようになった。体力が持つまでやっているのでほぼ徹夜になるのだ。そして、朝の訓練をして昼寝をし、夜の授業を受けて、また夜の訓練という繰り返しを毎日してきた。

結果ステータスが全員、かなり上がった。


無坂 練 16歳 男

レベル26

体力:250

魔力:250

筋力:1000

敏捷:1000

耐性:375

運:50

スキル

《心の声》《スキル無効》《統率者》《気配察知》


早川 瞬 16歳 男

レベル19

体力:270

魔力:216

筋力:405

敏捷:324

耐性:270

運:50

スキル

《剣術》《土属性》《身体能力強化》《加速》


黒木 凛 16歳 女

レベル17

体力:240

魔力:480

筋力:180

敏捷:240

耐性:192

運:150

スキル

《念話》《遠視》《風魔法》《魔力探知》


中山 癒沙 15歳 女

レベル15

体力:105

魔力:210

筋力:105

敏捷:105

耐性:105

運:200

スキル

《治癒魔法》《魔力強化》《魔力回復速度強化》


となった。まぁみんな、強くなるために頑張ったんだから後悔はしていない。今日からダンジョンで本格的なレベル上げをするらしい。王都に存在するダンジョンは三つらしい。まだどれも攻略されてないらしい。この国は最初は冒険者が集まってできたらしい。この国ができた要因としてダンジョンは大きいということだ。だからグロリアの大きな都市はダンジョンの近くにあるらしい。ダンジョンに行くには騎士団の騎士を含めて四人〜六人のメンバーで行動するらしい。俺は瞬と黒木と中山で騎士団からはレイカが来ることになった。他には例えば、神崎とハーレム要因三人で副団長がついて行くグループなどがある。

副団長は完全に押し付けられた形になっている。かわいそうに…


「これからダンジョンか…初めてだから流石に緊張するな。」


「バカめ。このダンジョンの上の方は私より強いのなど出てこないんだから大丈夫に決まっているだろ。私より勝ち星を稼いでるくせにこんなので緊張するな。」


この二週間でレベルが上がったおかげで、レイカと互角以上の戦いができるようになった。《心の声》を使えばほとんど負けない位には、ただ使わないと負けてしまう。二週間でよくここまで強くなったものだ。瞬は騎士団長にたまに勝てるかどうか位だ。よく訓練ではボコボコにされてるのを見かける。

黒木は後衛の割りに強くなり過ぎだ。レイピアを使っているが器用なのか、とても上手だ。主体は魔法のくせに…

中山は治癒師の割によく、動ける。回復が主体だが、回避能力も良く、下手な前衛より動ける。まぁ、臆病な性格のせいで肉弾戦はしない。ステータス的にはイケるはずなのに…まぁ、治癒師がばんばん前に来たら怖いけどな…

早速、ダンジョンに入っていく。

ダンジョンの中は暗いと思っていたが、そうでもなかった。通路も狭くない。そしたらなんか気配を捉えた。


「黒木」


「数は五体ね。」


流石、魔力探知は正確だ。気配察知とは違い、数まで数えることが可能だ。


「この先に広い場所があるからそこで戦おう。」


土属性の特徴である地域把握だ。地面など土でできたところならある程度、地形が把握できる。ダンジョンも全てが石でできているわけではないので、把握ができる。そう思うと、俺のスキルは自己中なやつばっかだな。

それで少し歩いたら、小さい広間に出た。そこで待っているとブラックウルフという狼の形をした魔物が出てきた。


「最初ってゴブリンじゃないのな?」


「たまたまだろ。それよりいくぞ。

「『風弾』」


風属性で最初に覚える魔法だ。風が弾のような形をして高速で飛んでいく魔法だ。魔力で速度や大きさ、威力は変わるらしい。

黒木が先手必勝で風弾をばらまく。一つが頭に一つが足に当たった。弾頭に当たった方は即死で足に当たった方はもう、動けないだろう。その間に俺は避けて孤立したブラックウルフに接近して一閃恐らく、いつ斬られたのか気づかないほどの速さだっただろう。後の二匹には瞬と黒木が接近して瞬殺していた。残った動けないブラックウルフは中山がナイフでとどめを刺していた。ダンジョンでは死ぬと肉体はダンジョンに吸収され、魔石だけ残す。外で倒すと肉体も消滅しないんだが、まぁ、しょうがない。レベルを上げるならダンジョンだ。なぜならすぐに敵と遭遇できる。それに血の匂いなどで近づいてくる魔物がいないから安全に早くレベル上げができるのだ。


「まだ、一階だから大して強くないな。」


「まぁ、初めて魔物を斬ったから緊張したが慣れればなんとかなりそうだな。」


「そうね…あんまりいい気はしないけど、しょうがないわね…こっちも生きるためだし。」


中山が首を縦に振っている。

中山は臆病だが、意外に芯は強いということが二週間でわかった。


「さっさと魔石を回収して次に行くぞ。」


また、探索を始めた。


・・・・・・・・・・・・・・・・


ザシュッ


今は八階まで探索に来たが全然、戦闘は余裕だった。それに宝箱などがあっても他の奴らはトラップなのか、調査しなければならないが、俺がスキル無効をすればもし、トラップなら解除、本物なら普通に開くから、トラップが全く怖くない。だが流石に物理的な罠は解除できないから警戒を怠らないようにしなければならないが…そんな鬼畜な罠はこんな上層部には存在しない。


「後どの位で集合時間だ?」


「後、10分くらいかしら。」


黒木が時計ではないが、時間を測る機械を見ながら言った。


「なら、そこにある転移門から上に戻った方が良さそうだな。」


「そうだな。」


転移門とは各階に設置されたものだ。転移門を通ると地上まで出れるようになっている。


「結局、魔石はどの位集まったんだ?」


「下位で多分200以上はあるだろうな。あと中位が1つだな。」


魔石は属性以外で下位、中位、上位、最上位に分けられる。今回中位が取れたのははぐれ者と会ったからだ。はぐれ者は本来、下の階層にいる奴が上に出現してしまった魔物のことだ。はぐれ者が原因で命を落とす者も多いらしい。


「レイカさん、これって多い方なんですかね…」


瞬がレイカに聞いている。


「当たり前だ。初めての探索で200越えとか、記録になるレベルだぞ。聞いたことが無い…」


「一旦、戻るか。」


「そうだな。」


転移門を通った時、召還された時を思い出したのはみんなに内緒だった。

集合場所に戻ってみるとほとんどの人が戻って来てた。みんな、それぞれ思う所があるらしい。顔が青ざめている奴やレベルが上がって喜んでいる奴など、さまざまだ。俺たちはみんなには内緒だが、革命をしようとしているのだ。他の奴らとは覚悟が違う。まだ、完全に集合できてはいないようだ。あと、一つグループが帰って来ていないらしい。神崎とハーレム要員のグループだ。恐らくは副団長が説得したが全然、従わず遅れるとここにいるほとんどの人はわかっているはずだ。副団長がかわいそうだ。それから15分してから帰ってきた。


「いや〜すまん。下の階層に行ってたら宝箱があってそれが罠で大変で遅くなった。」


「すみません、団長。自分のミスです。」


逆にわがままを言って遅れていると思ったが、まさかの罠に引っかかるとは…

まぁ、神崎は俺以外には結構優しいらしいから男女問わず、人気があるから誰も怒ったりしない…副団長は後で団長に怒られんだろうが。俺たちは呆れて何も言えないだけだが…そしたら、こっちに向かって歩いてきた。また、こいつは俺に絡んで来るのかよ。いい加減にしてくれ…早く強くなってここからいなくなりたい。


「無坂、調子はどうだった?」


ニヤニヤしながら聞いてきた。自信があるらしい。周りの奴らはまた、始まった位にしか、思っていない。


「まあまあだな。」


「お前はいつもまあまあしか言わないな。」


「うるせぇ、俺たちは決して満足はしないんだよ。それに俺は強くなれるなら他はなんでもいいからな。」


「まぁ、がんばって二番手を目指せよ。」


「お前ら、よくみんな無事に帰って来た!!!」


一言、言ってやろうと思ったが、団長が話初めてしまった。しょうがないから諦めることにした。


「初迷宮にもかかわらず、とんでもない結果を残した奴らまでいる 。まず、勇者たちのグループは五階まで行き、さらに下位の魔石を153個も取ってきた。」


その瞬間、周りはびっくりした目で神崎達を見ていた。


「まぁ、そのぐらいだったか〜 もうちょっと時間があればもっと取れたのに…」


「勇ちゃんだから当然の結果よ。」


「雑魚過ぎて楽勝よ。」


「まぁ、当たり前ですね。」


おいおい、なんか超威張ってるんだが…こいつら、本当にクラスメイトから人気、あるのか?表面だけとかじゃないのか?


「これでも十分凄い結果なんだが…実は瞬のグループが八階層まで行き、下位の魔石を254個取ってさらに中位の魔石を1個取ってきた。」


「なっ⁉︎」


神崎がマジで睨んでるんだが…まぁ事実だからしょうがない。


「この記録はちょっとおかしいからみんな気にするなよ。全員、帰る準備できたな。帰るぞ!」


そして全員、帰って行った。行きとは違い、みんな緊張が解けて話したりしながら帰っている。俺は後ろから睨まれていたが…


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


自由時間が終わり、勉強も終わった頃俺の部屋で集まっていた。


「おい、これからどうする?」


「夜練のことだよね?」


「ああ、そうだ。みんな、ステータスはどうなった?」


無坂 練 16歳 男

レベル36

体力:350

魔力:350

筋力:1400

敏捷:1400

耐性:525

運:50

スキル

《心の声》《スキル無効》《統率者》《気配察知》


早川 瞬 16歳 男

レベル31

体力:450

魔力:360

筋力:675

敏捷:540

耐性:450

運:50

スキル

《剣術》《土属性》《身体能力強化》《加速》


黒木 凛 16歳 女

レベル29

体力:420

魔力:840

筋力:336

敏捷:420

耐性:336

運:150

スキル

《念話》《遠視》《風魔法》《魔力探知》


中山 癒沙 15歳 女

レベル26

体力:187

魔力:375

筋力:187

敏捷:187

耐性:187

運:200

スキル

《治癒魔法》《魔力強化》《魔力回復速度強化》


「やっぱり、対人戦よりレベルの上がり方が違うな…」


「こっそり、ダンジョンに行けないかな。」


「バレなきゃいいだろうが魔石とかはどうする?」


「ずっと蓄えて置いて必要な時に他の都市で売れば良くない?」


「確かにそれはいい考えだな。だが、この国に作られたこのカードがないとダンジョンに入らないんだよな…これって記録とかつくのか?」


ダンジョンに入る前に国でギルドカードを強制的に取らされたのだ。ギルドカードがなければ、魔石も売れないし、ダンジョンにすら入れない。


「多分、そういう機能はついてないと思うけど、ありえるかもしれないわね。」


「なら、練の能力を使って誤魔化せばいいんじゃないのか?」


「瞬、お前頭良いな。」


「盲点だったわ。」


「凄くずる賢いですね。」


「中山ちゃん、ひどくない⁉︎」


「だが、やってみる価値はあるな。」


「もしばれたら、怒られれば良いだけだし…」


「みんな、成績優秀なのに悪いことばかり考えてる…」


「詐欺師もみんな頭がいいんだよ、中山ちゃん!」


「じゃあ早速行くぞ。中山以外スキルを全開にして周りを警戒しろ。あと、夜練では朝に行った所までしか行かないからな…時間が余ったら、その階でずっと狩るぞ。」


「わかったわ。」


「おう」


「はい」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・

思ったより簡単に脱出できてしまい、ダンジョンの中にも簡単に入れてしまった。


ビシュッ


「『風刃』」


『風刃』

刃のように切れ味のある風を飛ばす魔法、魔力によって威力や大きさ、速さは風弾と同じく変わるらしい。


「まだ、余裕だが、なんか朝と魔物の雰囲気が違くないか?」


「私もそう思ってたわ。夜になると動きが活発になるのかしら?また、来るわよ。」


「邪魔だ。『土槍』」


ゴブリンが五体出てきたが瞬が速攻、倒した。


「早川君、それはオーバーキルよ。もう少し、魔力を大切にしなさい。」


「やはり朝とは違うな…これからはもっと慎重に行くぞ!」


「ええ」


「おう」


「はい」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


結局、朝までダンジョンにいた。魔石の量が半端じゃない。朝の時の量など、笑えるぐらいたくさんある。正直、やり過ぎた感は否めないが、後悔はしていない。朝になってダンジョンにまた向かったが、怒られなかったのでバレてないっぽいな…

できれば、朝の探索では夜との違いを探したいところだ。結局、八階まで行ったが、ちょくちょく傷を負い、中山の治癒に頼る時があった。集中力が落ちたのもあるがそれでも、傷を負ってしまった。まだまだ、修行が足りない。


「これからは未知の領域だからな…気をつけて行くぞ!」


九階、十階はすぐに攻略ができた。しかし、十一階に降りた時、


「おいおい、ここってダンジョンの中だよな…」


「ああ、そうだぞ」


「なんで草原が広がってるんだよー!!!」


「ダンジョンではよく、あることだ。階層によって環境が違くなることがある。今回は草原だから良いが…これが火山とかなら大変なことになっていたな」


レイカが忠告してくれる。これは外に出た時に重要だからな…


「どうやって警戒したらいいんだ?」


「もし、攻略されている階なら情報を集めれば余裕だ。だがまだ誰も到達したことが無い階ならできる限り、たくさん用意をして危険を減らしていくしかないな…」


「迷宮探索も大変だな…」


「だが、魔石も手に入るし、一攫千金も狙え、腕に自信がある者は集まるからな。迷宮の周りに人が少なくなることはない。グロリアの王都グロリアスからかなり離れてる所にある迷宮都市イゼリアには強者が集まる。あそこは本当に迷宮だけで成り立っているようなものだしな…」


「迷宮都市イゼリアか…そこには迷宮がそんなにあるのか?」


「まぁ数もそうだが、難易度もかなり高いのがある。イゼリア以外の迷宮で力をつけた者はみんなイゼリアに向かうから自然に強者が集まるんだ。そこに集まった奴が皆強いわけではないがな…」


なんかレイカがいつもと違う感じで話していた。


「レイカさんは行ったことがあるんですか?」


「いや、行こうとしたが騎士団からスカウトが来て辞めた。だが、私の仲間だった奴らはイゼリアに行ったが数ヶ月後に全滅したらしい。と噂を聞いた。」


「なんか、すみません。」


「別に構わん。そこまで驚かなかったしな…」


「なんでですか?」


「あいつらは自分達が強いと思ってたが、そんなことはない。私が影でどんだけ頑張っていたか…だからイゼリアに行くと行った時にもっと修行をしてから行けと何度も言ったんだが全然聞かなかった。だから後悔はしてない。お前らも後悔しない生き方を選べよ?」


この時、レイカは俺達が脱走するのを知っていて言ったのかと思ってかなりびっくりしたが、ただ単に俺達のことを思って言ってくれたっぽい。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


それから一週間ほど、朝と夜は迷宮探索をしてメンバーの中でそろそろだなという雰囲気が出た。


「お前ら、そろそろだと思わないか?」


「ええ、そうね。ここ何日かの話だと思っていたわ。」


「まぁ、レベル上げも大変になって来たしな。」


「これでも練のおかげでかなり楽させてもらってるのにな…人生そんなに甘くないな。」


「皆、レベルは50近くになってるよな…自分達が伝えたい相手に手紙を置いていくか。」


「そうね、おそらく次に会うのは敵かもしれないから…私は先生やみんなに出すわ。」


「俺は団長だな…」


「私も先生には出したいと思います。」


「俺はレイカと第二王女だな。」


第二王女と行った瞬間、視線がデュエットしたが気にしてはいけない。


「第二王女にはいろいろ言っちゃったしな。」


「今日の夜に俺の部屋に集まれ、あとまだ半日近くあるからそれまでにいろいろ準備をしよう。」


「ていうか、誰も王様に書かないのな…」


「今、あのクソ狸に書いたら悪口しか書けないぞ。」


「それにしても本当に第一王女と会わなかったな…」


「いえ、神崎君は会ってるらしいですよ。」


「そうなのか?」


「ええ、光さんに相談されたわ。自由時間になるとすぐに第一王女の部屋に行って話をするんですって、それに第一王女は根っからのワガママな女王様らしくて本当に嫌な感じらしいです。ただ神崎君には猫を被っているらしいですね。」


「神崎も自分の周りくらい管理しろよ。」


「神崎の周りにいる奴も相当なワガママな性格してるけどな…それにやっとあいつらから離れられる。」


「無坂君もお疲れ様。」


そう言って近付こうとしているが、癒沙に止められてる。それからギャーギャー言い合いをしているが…


「よし、いつも訓練に行く時間にここに集合だ。」


すぐに集合時間になった。


「皆、手紙はこの机に置いとくか…」


「そうね、ここが目立つからここが良さそうね。」


「じゃあ、行くか…」


「ええ」


「ああ」


「はい」


やはり城から脱出するのはスキルを使えば余裕だった。


「そういえば、俺たちってどこに向かっているんだ?」


「「「あっ」」」


「だろうと思ったから行く場所は考えているだが地図がないから方向はわからん。」


「どうせ、わかんないことだらけの旅だし、適当に進んでそっから修正すれば良いでしょ。」


「そうか…どの方向に進むのかは中山が決めるしかないな。」


「なんでですか⁉︎」


「俺達の中でダントツトップの運を持ってるじゃん!」


「そうね、間違えてたらその時はその時ね。」


さりげなくプレッシャーを与えている気がするが…まぁいいか。


「それよりどこに行くんだ?もう、考えてるんだろ。」


「まぁ、一応な。もし革命するなら四人じゃ絶対に無理だ。」


「当たり前だ。そんなの逸話でしか無理だろう。」


「なら強い仲間を見つけるためにイゼリアに行く。」


「なるほどね。けど、見つけたとしても本当に信用できる相手を選ばないと行けないわね。」


「それについても考えてる。俺には誰も嘘はつけない。それに《統率者》の能力で俺のことを信用しているやつを判断できる。冒険者ギルドに行くならついでに俺達のクランを作ろう。表の活動は迷宮攻略、裏では革命軍、それで俺がメンバー集めで志願しても入れなくすれば安全だろ。まぁ志願しても良さそうなのがいたら引っこ抜くけどな。」


「流石ね…そんなことをもう考えてたの?」


「けど、名前を決めてない。」


「じゃあ、癒沙どの方向に向かえばいいと思う?」


「何と無く、この方向にまっすぐがいい気がします…」


「じゃあ、このまま、まっすぐだな。」


「これで道が合ってたらもう、そこにたどり着く運命だったのかもね。」


「おい、そろそろ警戒しろよ。門番には見つかるわけにはいかないんだからな…行くぞ!」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ドタドタドタドタ


「王様、勇者四名がいなくなりました!!!」


「なにっ⁉︎どういうことだ⁉︎この城には結界があって簡単には脱出も侵入も不可能なはずだろ!!!」


「部屋に残っていたのは手紙が五枚だけです!」


「なら、その手紙を持ってこい。」


「それが王様宛の手紙はありませんでした…」


「なんじゃと⁉︎国のトップのわしに一言もなしで出て行ったのか!!!捜索を開始して連れ戻してこい!!!」


「王様、それがとても難しいのです。」


「なぜだ⁉︎」


「もし、人員を捜索部隊に割いてしまうと王都の守備が甘くなります。それに偵察部隊から王都に魔物2000の大群が来ると偵察部隊から連絡がきました。」


「なんでこんなにタイミングが悪い…捜索より魔物の迎撃の方が優先だ。冒険者にも伝えて準備をしておけ。」


「わかりました。では、失礼します。」


バタン


「勝手な真似をしてくれたな。手紙を俺によこしていればまだ許せたがもう、許さんぞ。俺を完全にバカにしている。俺を敵に回したことを後悔させてやる。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「先生、泣き止んでぐださい。」


「この涙は五つの意味がある涙なので止まりません。」


先生へ

突然のことですみません。

私達はこの世界に来た二日後には外の世界に出て自分達の目でいろいろ見たいと思っていました。自分達がレベルを上げて生きていく上で必要な知識もある程度、学んだので昨日、出て行きました。私にはあの三人がいるので安心してください。しっかりしているのは知っていますよね?私はたくさん、助けてもらって生きていきます。先生も周りに助けてもらった方が楽になりますよ。先生も頑張ってください。また、会いましょう。

中山癒沙より


(中山さんは本当にいい子過ぎて許せちゃう。それに私の心配をしてくれて…)


先生へ

おそらく、癒沙がいろいろ先生のことを心配していることを書いてあると思うのでこっちは他のことを書きます。私も先生のことは心配はしてますよ。まず他の生徒のことは任せます。先生はこの状況でよく、やってますよ。多分、生徒達も先生のことを信頼してると思いますよ。私からはまた、会いましょう。ということを言いたいことです。あと男子二人が書かないので伝言を残します。早川君はまたな、だけです。もうちょっとなにかないのと言ったらまた会った時に話せばいいだと、無坂君も早川君と同じだそうです。あと、神崎のことは二つの意味でよろしくだそうです。私にはよくわかりませんが…なんか言い訳を考えといた方がいいらしいです。

ではまた

黒木凛より


(黒木さんがいなくなるのは痛過ぎます。クラスのまとめ役がいなくなった。黒木さん、帰って来てよ〜

それに比べて、男子二人はなんなんですか⁉︎特に早川君一言だけってひどくないですか⁉︎それにしても言い訳ってなんのことでしょうか…神崎君がやりそうなことを考えればわかるかもしれません…無坂君が出て行った→神崎君が怒る→神崎君があいつに負けないように出て行こう、、、とす、、、る?ってやばくないですか⁉︎どうにかして止めなければ!!!あれっ?だけど二つの意味があるって言ってましたよね…まさかこれからずっとブレーキ役になれと…ちょっと無坂君、帰って来なさい!!!先生は初めて説教したいと思いました。ああ〜言い訳考えないと…)


と泣きながら走るのだった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「あのバカめ…」


瞬の手紙を握り締めながら言った。


(弟子が師に手紙を出した所はいい。俺は全部教え込んだつもりだから…ただ、一回でいいから本気で戦ってみたかった。あのバカ、俺に手加減してるの、気がつかないと思ったのか?あいつらはおそらく強くなるためにイゼリアかそれに近い所に行くだろうな。あのバカが異様に外の世界のことを聞いてきたから気がついたが…俺がもしチクったら居場所まですぐにバレるぞ…まぁ言うつもりはないが。それにしてもこの手紙は意味がない。)


師匠へ

旅に出ます。

またな!!!

瞬より


(今度会ったら、一発殴る。)


そう決めた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


(結局、名前を呼んでられなかったな…私の最初の弟子か…ちょっと優秀過ぎたな。初めて一週間で師より強くなるとか聞いたことがないぞ。最後の方は一本も取れなかったな…それに私が治療室に担がれて運ばれる屈辱は絶対に忘れはしない。あんな屈辱…ふぅ、まぁあいつならこの国にいるほとんどの奴に負けないだろうな。弟子か…筋が良さそうな奴を探して育ててみるか…それであいつと戦わせるのも面白そうだな。次の弟子は可愛げがあるやつだと良いな…)


レイカへ

世話になった。

練より


(じゃあまた、会おう練…)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


(まさか、他の勇者様を差し置いて私に手紙が来るとは思いませんでした。お父様にはなんとなく、ない気はしましたが…相当、嫌ってましたからね。けど、この手紙は他の人には見せらせませんね。早く火で燃やしましょう。)


セレスティナヘ

あの時、言ったことはちゃんと覚えておけ。おそらく、お前の身が危ないことが起きるかもしれん。その時は一応助けに行くつもりだからな…間に合わなかったらすまん。個人的にはお前のことは王族とか関係なく、結構気に入っていたからな…間に合うようにする。

あと、これからレイン・ギルスダークという偽名で手紙を送るからちゃんと取れよ。こちらの状況とかいろいろ、送ってやるからな…

俺たちは国を守るために旅に出る。魔王と王都は任せるぞ。

練より


(こんなことをするくらいなら私も連れてって欲しかったのに…はっ私は何を⁉︎私は第二王女です。私は自分の責務をこなします。もし、危険になったら助けに来てくれるそうですし…)


手紙が燃える所を見ながら頬を朱く染めていた。


「皆に手紙届いたかな。」


「届いただろ。」


「あなた達のは手紙って言わないわよ。」


「言いたいことが書いてあれば良いだろ。」


「俺は第二王女の方はバッチリ書いたはずだぞ?」


「それに比べてレイカさんには一言じゃない⁉︎」


「あれぐらいがちょうどいいんだよ。どうせまた、会うしな…そう思うだろ凛?」


「私のことを名前で…」


「これからは皆、名前で呼ぶぞ。この世界では名前で呼ぶのが普通らしいからな…」


「う、うん、わかった。れ、練」


「うわ〜凛、完全に惚れてる顔になってる。そういう不意打ちにはやっぱり女は弱いのかね〜?」


「よろしくお願いします。練君、瞬君」


「癒沙ちゃんに名前で呼ばれた〜」


「うるさいぞ。よろしく癒沙」


「次の街までどれくらいで着くのかしら?」


「そのうち着くだろ?」


「このまままっすぐだな…じゃあ行くか…」













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